
総括
FX「大統領の巧みな対米交渉で年間3位、株は20%高」メキシコペソ見通し
予想レンジ 7.6-8.1
(通貨3位、株価6位)
(ポイント)
*年間は3位を維持。9月は2位スタート。年初来で対円5.17%高
*シェインバウム大統領が明るい初の政府報告を発表
*米墨の安全保障協力成立
*メキシコ中銀ロドリゲス総裁発言は
*メキシコ中銀調査の民間調査は
*CPIが目標圏内に低下、一方、コアは目標を超えている
*中銀では追加利下げ派が多数を占める
*中国からの輸入関税を引き上げ
*関税賦課にもかかわらず、メキシコの対米輸出は好調
*FDIも米関税賦課の不確実性の中でも増加
*IMF成長見通し上方修正
*フィッチ、メキシコ経済の縮小を「軽度」の景気後退に修正=昨年はフィッチの悲観的見通しで経済は後退した
*米との論点=関税、麻薬、移民、LA騒乱、送金課税、USMCA、司法、水、等々
*メキシコペソ「7.7-8.2、大統領のリーダーシップが評価される。支持率70%」
(年間は3位を維持。9月は2位スタート。年初来で対円5.17%高)
8月は8位と低迷も、年間は3位を維持。9月は2位スタート。年初来で対円5.04%高(@7.92)。ボルサ株価指数は年初来20.91%高。10年国債利回りは8.81%。
(シェインバウム大統領が明るい初の政府報告を発表)
シャインバウム大統領は支持率が70%を超え、就任1年目を終えようとしており、歴史的にも最も人気のある人物となっている。大統領は初の年次政府報告を行った。この演説は、安全保障、経済、医療など、さまざまな分野での成果に焦点を当てた明るい内容だった。
そのうち、経済出は以下を強調した。
「国際金融機関」の「悲惨な」予測にもかかわらず、メキシコ経済は今年1.2%成長すると予想されている。
2025年上半期の外国直接投資は過去最高を記録した。
メキシコペソは1米ドルあたり19ペソを下回ったままとなっている。
失業率は2.7%で、「世界でも最低水準の一つ」だ。
7月の年間インフレ率は3.5%。
最低賃金は2025年の初めに12%上昇した。
2025年の最初の8か月間で、税収は年間8.5%増加した。
(経済指標)
8月製造業PMIは50.2、7月の49.1から改善。企業信頼感指数は49.4で7月と変わらず。8月消費者信頼感指数は46.7、7月の46.0から改善。
来週は8月消費者物価と7月鉱工業生産の発表がある
(米墨の安全保障協力)
ルビオ米国務長官は、麻薬密輸や不法移民流入などの分野で米墨両国が緊密に協力するとして「今までで最も緊密な安全保障協力であり、全ての国の中でもそうかもしれないが、少なくとも米国とメキシコの関係では間違いなくそうだ」と自賛した。
ルビオ長官は、シェインバウム大統領および閣僚らと安全保障問題について協議し、メキシコの取り組みを称賛した。
(メキシコ中銀ロドリゲス総裁発言)
・米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)とサプライチェーンの変化は、経済成長と輸出の両方に利益をもたらす可能性がある
・コアインフレ期待の上方修正は、サービスインフレの低下が予想よりも緩やかであることを部分的に反映している。
・経済成長に対するリスクのバランスは引き続き下向きに傾いている。
・米国の工業生産予測では、今年後半に状況が緊迫し、2026年には成長率が上昇すると予想されている。
・今後、金融政策委員会は基準金利のさらなる引き下げを検討する。
・金融政策委員会はインフレ見通しを評価し、基準金利の調整について議論する。
・国内支出は増加傾向を維持すると予想されるが、勢いは弱い。