
総括
FX「米国の変則政治・経済で不確実性拡大続く。それが繁栄に繋がるとは思えない」
ドル円=145-150、ユーロ円=171-176、ユーロドル=1.14-1.19
通貨ごとの注目ポイント
*円「 通貨6位(5位)、株価14位(14位)、日本繁栄には為替、金利政策より株価対策が重要」
(為替、金利政策より株価対策が重要)
ドル円相場は5年ぶりに、ここまで陰線を維持している。今年の円相場全体では12通貨中6位で安定している。ただそれでも物価上昇の一因は円安とも言われている。円相場、金利の上下は、どちらもメリット。デメリットがあるが、企業収益、税収の安定では円安株高が好ましい。為替、金利より株価を重視した政策をとるほうが利害関係がないのではないかと思う。株を持っていない人には不公平だというが、年金も安定し株高による消費の増加、税収増加もあるのでデメリットはない。
(首相人事)
どの首相も就任すればすぐに退陣運動が始まる。誰が首相になっても米大統領と異なり権限をふるまえない。首相交代はそれほど気にすることはない。
(今週は財務省版の短観に注目)
今週は7-9月法人企業景気予測調査に注目したい、日銀短観と同じ内容の調査だ。他に4-6月期GDP改定値や8月外貨投信残高の発表がある。
(OPEC原油増産は円高要因)
OPECプラスは来月も増産することで大筋合意した。主要メンバーは日曜のビデオ会議で日量約13万7000バレルの増産を承認する見込みだと述べた。日本が30年続いた貿易黒字となっていた時の原油価格は50ドル以下であった。引き続き原油価格に注目したい。
(日本の為替)
①1871=下田のタウンゼント・ハリス氏1ドル0.25円のところを1ドル1円とされ、インフレ、金の流出
(1911 漸く.関税自主権)
②1949=1ドル360円固定相場 ドッジさん これは良かったかもしれない
③1971=ニクソンショック ドル切り下げ
④1973 変動相場へ
⑤1985=プラザ合意 240円から75円への道
⑤2025=トランプ関税と巨額融資(投資55億ドル?) @148
(5000億ドル投資が出来るのか、不良債権の責任は)
日本の製造業は1ドル360円から75円の円高に血のにじむような努力で対応した。雑巾を絞るような経費削減も行った。米国の関税が15%へ増税され再び苦難の道を歩む。心配なのは4年間で対米5000億ドル投資を約束したことだ。現在対米直接投資残高は約7800億ドルで世界一。これを4年間で5000億ドル増やせるのだろうか。また投資案件はトランプ大統領が決めるという。投資が焦げ付いた時は日本だけが損害を被るのだろうか。
*米ドル「通貨11位(11位)、株価(NYダウ)15位(15位)、変則経済、訴訟社会で落ち着きのない米国」
(変則経済が続くのだろうか)
関税増税、移民抑制、教育援助や対外援助の縮小などがトランプ政治だ。ただ相手の反応で、最初の政策を調整得ることも多い。変則経済が持続できるかどうかは疑問。通常の大統領より金融市場がよくなているわけでもない。年初来でドルは12通貨中11位で弱い。株価も19市場中、ダウが15位の6.71%高、ナスダックが11位の12.37%高。他の市場では20%超、30%超のところもありいつもの米市場の強さがない。
日々、様々な分野で訴訟の話が出ている落ち着きがない社会となっている。世界の紛争も終わってはいない。
(トランプ大統領がしかけた雇用減少)
8月雇用統計では、非農業部門雇用者数は2万2000人増にとどまり、予想の7万5000人増を大幅に下回った。失業率は4.3%と、前月の4.2%から上昇し、約4年ぶりの高水準に達した。雇用の減速が鮮明となり、FRBによる月内の利下げはほぼ確実とみられる。 雇用の減速は、トランプ政権の関税措置のほか、大規模な不法移民取り締まりに伴う労働力人口の減少が要因。政府部門は1万5000人減。1月以降からは計9万70000人減となる。
トランプ大統領はFRBに利下げを要求しているが、雇用を悪化させているのはトランプ大統領だ。
(CPIに注目)
シカゴ連銀のグールズビー総裁はFOMCどのような行動を支持するかについて、今週発表される物価統計を確認したいと述べた。8月消費者物価の予想は2.9%、コアが3.1%、7月はそれぞれ2.7%、3.1%。CPIナウは2.84%、コアは3.05%。
(物価上昇は緩やか=ベージュブック)
ベージュブックによると、物価上昇については関税の影響で12地区連銀のうち10地区が「緩やか」または「控えめ」と報告した。
(トランプ関税の大半違法)
連邦巡回区控訴裁判所は、トランプ大統領の関税の大半が違法との判決を下した。政権が連邦最高裁判所へ上訴する機会を与えるため、10月14日までは関税を維持することを認めた。
トランプ大統領は、「極めて党派的」な裁判所の決定を批判した。「関税がなくなれば国にとって完全な災害となる」とした上で、「最高裁の助けを借りて」関税が国に利益をもたらすことを期待していると書き込んだ。 判決は7対4だった。民主党政権下で選ばれた判事のうち、6人が賛成、2人が反対した。共和党政権下で選ばれた判事のうち、1人が賛成、2人が反対した。トランプ政権は直ちに控訴した。
*ユーロ「通貨2位(2位)、株価7位(5位)DAX)、米の不確実性によるユーロへの逃避は続く。デジタル課税論争あり」
(ユーロは依然、米国の不確実性からの逃避で底堅く)
景気はそれほど強くはないが、ユーロは依然、米国の不確実性からの逃避で底堅く、年初来2位の強さ。欧州株にも資金が流れているが、フランスやスペインの政治情勢の不安定化で先週は弱かった。
独10年国債利回りは2.66%、米国の雇用悪化や仏政局の若干の落ち着きで低下している
(政策金利は据え置きか)
ユーロ圏の経済が堅調に推移するとの見通しやインフレ率が目標水準に近付いたことを背景に、ECBは利下げサイクルを終了したとの見方が出ている。
ECBは今週の理事会で主要政策金利の中銀預金金利を2会合連続で2%に据え置くと予想されている。ユーロ圏のインフレ率は8月に2.1%となり、目標に近い水準にとどまっている。
(ユーロ圏の経済成長率は今年が1.2%、ただドイツが弱い)
ユーロ圏の経済成長率は今年が1.2%、来年が1.1%と予想されている。ドイツなどの財政出動策が景気を下支えする見通しだ。ただドイツが軟調だ。ドイツの前四半期は、最大の貿易相手国である米国からの需要減速が響き、0.3%のマイナス成長となった。フランスやスペインの政治情勢の不安定化も先行き不透明感を強めており、ECBが政策運営を進める上で警戒すべき要因となっている。
(火種、デジタル課税)
トランプ米大統領は欧州委員会が広告技術を巡り公平な競争をゆがめたとしてグーグルに約30億ユーロ制裁金を科したことに抗議し、通商法301条に基づく調査を開始する可能性を示唆した。米政府の調査次第では新たな関税発動につながる恐れがある。
トランプ氏は「特にグーグルなど米ハイテク企業にこれまで科された多額の制裁金や税金と、今回の制裁金はまた別物だ。非常に不公平だ。米国の納税者は黙っていない!前にも述べたが、私の政府はこうした差別的な行為を見過ごしはしない」と続けた。
*ポンド「通貨4位(4位)、株価10位(11位)、ポンドこじっかり。今週は7月GDP」
(ポンドはこじっかり)
ポンドはこじっかり。8月1日の米雇用統計悪化での199円から195円の下落を元に戻した。年間では4位で対円1.17%高、対ドル7.93%高。FT株価指数は年初来12.67%高、10年国債利回りは4.65%。
(今週は7月GDPの発表)
今週は7月GDPの発表。予想は前月比変わらず、前年比1.1%増。前月はそれぞれ0.4%増、1.4%増。7月鉱工業生産の発表もある。
(ベイリー英中銀総裁、利下げ見通しに更なる疑問)
ベイリー英中銀総裁は、11月の利下げ見通しに更なる疑問を呈した。年内利下げの見通しに更なる疑問を呈し、次回会合での追加利下げはあり得ないという市場の見方を事実上裏付けた。ベイリー総裁は、「更なる利下げをいつ、どの程度迅速に実施できるかについて、不確実性が大幅に高まっている」と警告し、性急な追加利下げへの慎重な姿勢を示唆した。ロンバルデリ副総裁も、特にサービス部門における長期的な物価圧力を考えると、金利は現在の4%よりわずかに低い水準で十分かもしれないと述べた。
(小売売上高、予想上回ったが)
7月の小売売上高は前月比0.6%増となり、予想の0.2%増を上回った。 好天や女子サッカー欧州選手権が消費を押し上げた。
ただ 過去数カ月分のデータが大幅に改訂された。6月分は前月比0.9%増から0.3%増に下方修正された。「小売売上高は見た目ほど強くはない」との指摘あり。
(レイナー副首相辞任、マンション購入で税金過少払い)
英国のレイナー副首相が辞任した。今年5月の不動産購入を巡って税金の過少支払い疑惑が浮上し、苦境に立たされていた。支持率が低迷するスターマー政権にとって新たな打撃となった。レイナー氏はマンションの一室を約1億6000万円で購入した際、別宅ではなく「主たる住宅」として申請し、印紙税800万円の支払いを逃れた疑いが持たれている。
*豪ドル「通貨7位(7位)、株価13位(12位)、CPIとGDPで10日連続陽線の後は小緩む」
(CPIとGDPで10日連続陽線の後は小緩む)
8月21日からの豪ドル円の連続陽線は10日で止まり先週後半は小緩んだ。ボリバン2σ下限から上限へ伸びていた。年初来では7位で対円0.71%安、対ドルで5.93%高。全普通株指数は年初来8.55%高。10年国債利回りは4.31%。
(強かった2Q・GDP)
2Q・GDPは、前年比で約2年ぶりの高い伸びを記録した。金融緩和で長らく低迷していた消費支出がようやく上向き、成長のけん引役が政府支出からシフトした。
GDPは前期比0.6%増加し、予想の0.5%増、1Qの0.3%増を上回った。前年比の伸び率は1.8%で予想の1.7%増、1Qの1.4%増を上回った。
家計消費は0.9%増加。裁量支出にけん引され、成長率を0.4%押し上げた。これまでの利下げで家計の住宅ローン返済負担が軽減された。また政府の減税で家計のキャッシュフローが増加した。消費者が貯蓄よりも支出を選択したため、家計貯蓄率は5.2%から4.2%に低下した。
チャーマーズ財務相は、政府は住宅、再生可能エネルギー、重要鉱物プロジェクト、データセンターなどを優先分野としており、企業投資が重要な焦点になると指摘。これで9月30日の利下げはほぼ否定された。
(RBAブロック総裁、多くの利下げは必要ないかもしれない)
RBAブロック総裁は2Qの経済成長率は予想よりやや強かったとし、消費者が積極的な支出を続ければ多くの利下げは必要ないかもしれないとの認識を示した。
家計がようやく支出を増やし始めたことにより民間部門の成長が拡大し始めたことは好ましいことだと指摘。「金利の将来にとってどのような意味を持つのか現段階では分からない」としつつ、「このままいけば今後多くの利下げはないかもしれない。しかし、一概には言えない」と語った。
*NZドル「通貨8位(8位)、株価19位(19位)、利下げでの下落分は回復。株価指数は漸くプラス圏」
(利下げで急落した8月20日の水準に戻す)
8月20日のNZ中銀の利下げと追加利下げ示唆でNZドル円は一時ボリバン3σ下限まで下落も、その後は小刻みに回復、一時8月20日の高値を上抜けた。ただそこからは雲に入りきれずボリバン中位で小康。
さらなる景気刺激策が出るか、また9月18日の2Q・GDPが焦点となる。小規模な国だけ外資を導入すれば、回復は早いかもしれない。
(株価が漸く年初来プラス圏に浮上)
NZ株価指数(NZ50)は年初来で唯一のマイナス圏市場であったが、先週は週間で2.26%上昇、年初来で0.86%高となった。中銀の追加利上げ示唆と景気刺激策を好感した。10年国債利回りは4.41%。
(2Q・GDP予想)
9月18日発表の2Q・GDPの予想は前期比で0.4%増、前年比で0.9%減。1Qはそれぞれ0.8%増、0.7%減。投資ビザの拡大、銀行の自己資本比率の引き下げ、外国人富裕層に高級住宅の購入させるなどの景気刺激策が出ているが2Qの数字には反映しないだろう。
(NZ中銀新総裁は)
ラクソン首相は、先週、中銀の新総裁が数週間以内に発表される見込みだと述べた。首相は「現在、複数の候補者がおり、関連手続きを進めている。結果発表は数週間以内」と答えた。
中銀はオア前総裁の突然の辞任以来、正式な後任を探している。副総裁のホークスビー氏が、10月7日までの6ヶ月間、暫定的に総裁に就任した。ホークスビー氏はまた先月、正式な総裁就任に立候補したことを示唆していた。
(ゴールデンビザの40%は米国から)
移民局のデータによると、8日時点でゴールデンビザの申請数は267件で対象は862人。想定される最低投資額は総額16億3000万NZドルで、申請の約40%は米国からだった。