
主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2025年9月12日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 為替アナリスト 中村勉
目次
▼11日(木)の為替相場
(1):高市氏 総裁選出馬の意向
(2):ECB 政策金利据え置き
(3):米CPIは概ね予想通り 新規失業保険申請件数は増加
▼11日(木)の株・債券・商品市場
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:レンジ相場続く/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
11日(木)の為替相場

期間:11日(木)午前6時10分~12日(金)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):高市氏 総裁選出馬の意向
一部報道で、「高市前経済安保相が自民党総裁選に出馬する意向を岸田前首相に伝えた」と報じられた。同氏は昨年の総裁選で積極的な財政出動など掲げ、日銀の追加利上げに消極的な姿勢を示していたことから、同報道を受けて円が売られた。
(2):ECB 政策金利据え置き
欧州中銀(ECB)は大方の予想通りに2会合連続で政策金利の一つである預金ファシリティ金利を2.00%に据え置いた。声明では「適切な金融政策スタンス決定に向け、データ次第で会合ごとのアプローチをとる」とし、「中期的にインフレ率が2%の目標値で安定することを確実にする決意」「特定の金利の道筋を事前にコミットしない」と表明した。その後の記者会見でラガルド総裁は、「最近の貿易協定は不確実性を低下させた」「経済見通しに対するリスクはより均衡した」との認識を示し、「ディスインフレの進行は終わった」とし、「(インフレ)2%からのわずかな乖離が常にECBの行動を促すとは限らない」と語った。
(3):米CPIは概ね予想通り 新規失業保険申請件数は増加
米8月消費者物価指数(CPI)は前月比+0.4%、前年比+2.9%(予想:+0.3%、+2.9%)となり、前年比の伸び率は前月(+2.7%)から加速した。食品とエネルギーを除いたコアCPIは前月比+0.3%、前年比+3.1%と予想通りに前月と同じ伸び率だった。また、同時に発表された新規失業保険申請件数は26.3万件と前週(23.6万件)から2.7万件増加し、2021年10月以来の高水準となった。ドルはCPIの高止まりを受けて一時上昇したが、新規失業保険申請件数の急増を嫌気して急速に反落した。