南アランド見通し
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

総括

FX「9月はトリプル高。今週は政策金利。3σ上限に注意」南アランド見通し

「通貨4位、株価6位」
「予想レンジ 南アランド円8.2-8.7」

(ポイント)
*9月はトリプル高
*政策金利は据え置きか
*今週は消費者物価と小売売上
*2Q・GDP成長率は予想を上回る
*南ア大統領、米に貿易担当を派遣
*ランドは月足が4か月連続陽線。9月もここまで陽線
*今年は金価格などが上昇していることはメリット
*原油安も南アにとってメリット
*米国との関係悪化は続いている
*電力供給が安定している 水不足は続く
*南アでのG20サミットにトランプ大統領は出席せず
*SWIFTシステムから遮断される危険
*中国はアフリカ諸国からの輸入に対しては「ゼロ」関税
*米は、南アからの対米輸出品に30%の関税課す
*南ア、中国自動車メーカーと現地生産推進で協議

(9月はトリプル高)
 好調さは続く。年間ではポンドを抜いて対円で1.92%高。
 南ア全株価指数は先週2.88%高で年初来24.21%高。10年国債利回りは9.34%で低下傾向にある。
 米国との関税問題などでの不透明さはあるが金など鉱産物価格の上昇が支えている。また米国との予想される貿易額減少は中国、EUなどとの取引拡大で相殺しようとしている。

(政策金利は据え置きか)
インフレ率が上昇傾向にあり、世界的な不確実性も高まっているため、9月18日に中銀が政策金利を7%に据え置くと予想している。
 インフレ率が目標である3%に近づけば、利下げへの期待は持続するだろうが、景気が加速すれば、利下げは遠のく。同様に、世界市場が利下げに踏み切り、ランドが安定すれば、南アの利下げは容易になるだろうが、必ずしも9月に利下げを強いられるわけではない。
 
(今週の他の指標)
政策金利決定の前に2つの重要指標の発表がある。
8月消費者物価の予想は前年比で3.6%上昇。7月は3.5%。
7月小売売上の予想は前年比で2.7%増、7月は1.6%。 

(2Q・GDP成長率は予想を上回る)
2Q・GDPは前期比0.8%増となり、予想の0.5%増を上回った。前年比では0.6%増で予想の0.8%増を下回った。製造業は前期比1.8%増加し、GDP成長に0.2%貢献した。製造業10部門のうち7部門がプラス成長を記録。特にプラス成長に大きく寄与したのは、石油・化学製品・ゴム・プラスチック製品部門と、自動車・同部品・付属品・その他輸送機器部門。
一般政府最終消費支出は0.7%増加し、全体の成長率に0.1%寄与した。

(南ア大統領、米に貿易担当を派遣)
 ラマポーザ大統領は9日、貿易交渉準備のため複数の当局者を米国に派遣したと明らかにした。南アはここ数カ月、米国による高関税の撤廃に向けトランプ政権との合意を目指している。
ラマポーザ政権は貿易協定を繰り返し提案してきたものの、トランプ米大統領は先月、南アからの輸入品に30%の関税を発動した。
南ア当局者らによると、米国は関税発動直前に交渉の席に着かなかったという。南アは1カ月前に貿易協定の改訂案を提出していた。
ラマポーザ氏は、南アの強みは重要な鉱物資源などの天然資源で、米国との協議はこの点を中心に行われていると述べた。