
主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2025年9月17日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 為替アナリスト 中村勉
目次
▼16日(火)の為替相場
(1):小泉氏 自民総裁選へ立候補の意向
(2):英失業率は横ばい
(3):ZEW景気期待指数は改善
(4):米財務長官 金利見通しについて語る
(5):強い米個人消費
▼16日(火)の株・債券・商品市場
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:噂で売って事実で買い戻される展開も/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
16日(火)の為替相場

期間:16日(火)午前6時10分~17日(水)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):小泉氏 自民総裁選へ立候補の意向
小泉農水相が自民党総裁選(10月4日投開票)に立候補する意向を表明し、加藤財務大臣は小泉氏の支援に回ることを明らかにした。小泉氏は日銀の金融政策に介入する姿勢は比較的薄いと見られており、日銀が利上げしやすくなるとの見方から円が買われた。また、午後には林官房長官も総裁選への立候補を表明した。
(2):英失業率は横ばい
英5-7月週平均賃金(除賞与)は前年比+4.8%と市場予想通りに4-6月(+5.0%)から伸びが鈍化。同失業率は4.7%と予想通りに4-6月から横ばいだった。なお、英7月失業保険申請件数は1.74万件、同失業率は前月(4.3%)から上昇し4.4%だった。
(3):ZEW景気期待指数は改善
独9月ZEW景気期待指数は37.3と市場予想(25.0)に反して前月(34.7)から改善。ただ、現況指数は-76.4と予想(-73.6)以上に前月(-68.6)から悪化した。ZEW(欧州経済センター)のワムバッハ所長は、「金融市場の専門家は慎重ながらも楽観的であり、ZEW指数は安定しているものの、経済状況は悪化している」「米国の関税政策とドイツの『改革の秋』を巡る不確実性が続く中、依然として大きなリスクが残っている」との見解を示した。
(4):米財務長官 金利見通しについて語る
ベッセント米財務長官は「25bp(0.25%ポイント)の利下げが織り込まれている」「連邦準備制度理事会(FRB)が中立金利を目指すのか、あるいは刺激的なスタンスに転じるのか、見極めることになる」「市場は年末までに75bpの利下げを織り込んでいる」と語った。
(5):強い米個人消費
米8月小売売上高は前月比+0.6%と市場予想(+0.2%)を上回り、7月分も+0.5%から+0.6%へ上方修正された。 自動車を除いた8月小売売上高は+0.7%と予想(+0.4%)を上回り、同様に7月分が+0.3%から+0.4%へと上方修正。なお、国内総生産(GDP)の算出に用いられる8月コア小売売上高(コントロールグループ)は前月比+0.7%と予想(+0.4%)を上回った。同時に発表された米8月輸入物価指数は市場予想通りに前年比±0.0%だったが、7月分が-0.2%から-0.6%へ下方修正された。