外為どっとコム トゥデイ
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。

作成日時 :2025年9月18日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 為替アナリスト 中村勉

目次

▼17日(水)の為替相場
(1):日本貿易収支 米国向け輸出が減少
(2):英サービスCPI 伸び鈍化
(3):米住宅関連指標 減少
(4):FOMC 予想通り25bpの利下げ
(5):FRB議長「リスク管理のための利下げ」

▼17日(水)の株・債券・商品市場

▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:方向感出づらい展開/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント

17日(水)の為替相場

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期間:17日(水)午前6時10分~18日(木)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム

(1):日本貿易収支 米国向け輸出が減少

日本8月貿易収支は市場予想(5126億円の赤字)よりも少ない2425億円の赤字だった。輸出は米国向けが前年比で13.8%減少したことを背景に、4カ月連続で前年から減少した。なお欧州連合(EU)やアジア向けの輸出額はプラスに転じた。

(2):英サービスCPI 伸び鈍化

英8月消費者物価指数(CPI)は市場予想通りに前年比+3.8%と、前月と同率の伸びとなった。エネルギーや食品などを除いたコアCPIは前年比+3.6%と予想通りに前月(+3.8%)から伸びが鈍化。英中銀(BOE)が重視するサービスCPIは前年比+4.7%だった(予想+4.8%、前月+5.0%)。

(3):米住宅関連指標 減少

米8月住宅着工件数は年率換算130.7万件と市場予想(136.5万件)を下回り前月(142.9万件)から減少した。過剰な住宅在庫により一戸建て住宅の着工件数は前年比で約7%減少した。同時に発表された米8月住宅建設許可件数は131.2万件と予想(137.0万件)を下回り2020年5月以来の低水準となった。

(4):FOMC 予想通り25bpの利下げ

米連邦公開市場委員会(FOMC)は市場予想通りに政策金利を25bp(0.25%ポイント)引き下げ、4.00-4.25%とした。声明では「雇用に対する下振れリスクが高まっている」との懸念を示し、「目標達成を阻害しかねないリスクが顕在化した場合、金融政策スタンスを適切に調整する用意がある」との姿勢を示した。25bp利下げに反対票を投じたのは1名で、今会合からFRB理事として出席したスティーブ・ミラン氏が50bp利下げを主張した。同時に公表された経済見通しでは今年の成長率予測を1.4%から1.6%へ引き上げた。インフレ予測と失業率はそれぞれ+3.0%、4.5%と6月時点から据え置いた。また、金利見通しでは、メンバーの予測中央値として年内に2回(50bp)の利下げが示唆された。

(5):FRB議長「リスク管理のための利下げ」

米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長はFOMC後の記者会見で「インフレはこのところ上昇し、引き続き幾分高止まり」「モノのインフレは加速、サービスのディスインフレは継続」との見解を示したが「関税がインフレに及ぼす全体的な影響はまだわからない」と慎重な姿勢を維持した。また労働市場については「前回の会合以降、労働市場のリスクに対する見方は大きく変化した」とし、「労働市場は冷え込みつつあり、政策にそれを考慮する時期が来ていることを示唆している」「労働市場の変化は主に移民に絡む変化による。ただ、全てが移民によるものではない」「労働市場は軟化しており、これ以上減速させる必要はない」との見解を示した。今後の利下げについては「会合ごとに判断していく」としたうえで、「今回の決定はリスク管理のための利下げと考えられる」「金利を巡り性急に行動することはない」などと述べた。