
総括
FX「9月月間最強、株も強い。現地のあるランドの見方」南アランド見通し
「通貨4位、株価4位」
「予想レンジ 南アランド円8.4-8.9」
(ポイント)
*9月は月間最強、金・銀などの上昇が支え
*10月は2位スタート。
*9月製造業PMIは
*8月貿易黒字減少
*南ア、グレーリストから除外か
*南アエコノミストのランド強気見通し
*成長見通し引き下げ,OECD
*AGOAはどうなる
*8月消費者物価は予想より低下
*南ア・米国貿易交渉は
*ランドは月足が5か月連続陽線
*中国はアフリカ諸国からの輸入に対しては「ゼロ」関税
*米は、南アからの対米輸出品に30%の関税課す
*南ア、中国自動車メーカーと現地生産推進で協議
(9月は月間最強、10月は2位スタート。株も強い)
9月は月間最強、年間では4位となった。南ア全株価指数は年初来30%高(30.54%)に到達。10年国債利回りは9.16%。
(9月製造業PMIは)
9月アブサ製造業PMIは52.2、8月は49.5。堅調な内需がけん引した。
「世界的な需要がなお圧迫され、米国の高関税、厳しい貿易環境、国内の港湾問題長期化で複雑化する中、国内市場が回復をけん引した」とアブサは分析した。
ただトランプ米大統領は8月、南アからの対米輸出品に30%の関税を発動。サハラ以南地域で最高水準となり、農業や自動車製造などの部門で数万人の雇用喪失が生じる可能性があるとみられている。
9月S&P・PMIは50.2、8月は50.1。
(8月貿易収支は黒字減少)
8月は39.7億ランドの黒字。7月の195.6億ランドの黒字から大きく縮小した。
関税をかけられた米国だけが減少(南北アメリカで3.6%減少)したわけではなく、
オセアニアが14.9%減少、欧州が5.9%減少した。
(南ア、グレーリストから除外か)
南アは早ければ今月にも国際金融監督機関の「グレーリスト」から外れる見込みで、これは海外資本流入への転換点となるだろう。2023年2月に金融活動作業部会(FATF)から 、違法な資金の流れ(マネーロンダリング)への対策における欠陥を理由に厳しい監視下に置かれた。関係者によると、FATF全体会議の最終日である10月24日にリストから外れる予定だという。
IMFの2021年の 報告書によると、グレーリストに掲載された国々では「資本流入の大幅かつ統計的に有意な減少」が見られたとしている。
(南アランドの強気な見方を取り上げました)(ある現地エコノミストの見方)
①南アランドは本来あるべき水準よりはるかに弱く、適正価値は1ドルあたり11.30ランド程度まで下がる可能性がある。 これは、アルム・キャピタルのチーフエコノミスト、フレデリック・ミッチェル氏の見解だ。政策の失策、投資家心理の悪化、地政学的緊張が通貨に大きなリスクプレミアムを生み出していると主張した。
過去5年間の南アと米国のインフレ率の差を考慮に入れた指標である購買力平価(PPP)で計算すると、ランドはもっと強くなるはずだと指摘した。
「購買力平価(PPP)為替レートを用いた市場分析は、ランドが依然として過小評価されていることを示しています。この乖離は、保守的に見積もっても1ランドあたり14.30ランド、場合によっては11.30ランドまで下がる可能性を示唆しています」と述べた。(続く)