
主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2025年10月8日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 為替アナリスト 中村勉
目次
▼7日(火)の為替相場
(1):豪金輸出 2年前のほぼ倍の見通し
(2):米つなぎ予算交渉で進展観測
(3):日本の30年債入札は無難な結果
(4):ミランFRB理事「インフレ見通しは楽観的」
▼7日(火)の株・債券・商品市場
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:円一段安の可能性/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
7日(火)の為替相場

期間:7日(火)午前6時10分~8日(水)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):豪金輸出 2年前のほぼ倍の見通し
豪産業科学資源省は、資源・エネルギーに関する四半期報告書を公表。「米ドル建て金価格の異例の高騰」を背景に、同国の金の輸出額は2025-26年度で600億豪ドルに達し、前年度の470億豪ドルを大幅に上回り、2年前から倍増する見込みとした。また、コモディティ(一次産品)輸出において、金が液化天然ガス(LNG)を抜いて同国第2位の輸出品目になるとの見通しを示した。
(2):米つなぎ予算交渉で進展観測
米国のトランプ大統領はホワイトハウスで、医療保険制度改革法案(オバマケア)に基づく補助金について、「民主党と話をしている」、「医療保険に関して非常に良いことが起こる可能性がある」と発言。政府機関の一部閉鎖の解除に向けて、11月21日までのつなぎ予算案を巡る交渉がいくぶん進展しているとの観測が浮上した。
(3):日本の30年債入札は無難な結果
財務省が実施した日本国債30年物の入札は、応札倍率が前回を上回るなど、事前に警戒されていたほど需要は低下しなかった。自民党総裁選後の超長期債利回りの上昇で生保などの機関投資家が投資妙味を見出したと見られる。これを受けて長期金利が全般的に低下する中、財政不安がやや後退したとして円が買い戻される場面があった。
(4):ミランFRB理事「インフレ見通しは楽観的」
米連邦準備制度理事会(FRB)のミラン理事は「私のインフレ見通しは、一部の同僚よりも楽観的だ。従って、FRBの2つの責務の間にそれほど大きなジレンマはないと見ている」と発言。あらためて積極的な利下げを支持する考えを示した。一方、ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁はその後、「FRBが大幅な利下げを実施すれば、経済は一時的に高インフレに見舞われるだろう」と指摘した上で「我々が注視しているデータのいくつかは、スタグフレーション(不況下の物価上昇)的なシグナルを示している」との見解を示した。