人民元見通し
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

総括

FX「米中の大豆・レアアース戦争、首脳会談あるか。関税停止期限は11月10日」人民元見通し

(通貨10位、株価10位=上海、香港ハンセンは3位)
予想レンジ 人民元/円 21.0-21.5

(ポイント)
*米中大豆戦争、レアアース戦争あり
*米中首脳会談は開催されるか
*高市政策で人民元は対円で回復
*株価はまずまずの動き
*本日より上海市場再開
*来週は9月貿易収支、消費者・生産者物価の発表
*11月10日が米中相互関税停止期限
*11カ月連続で金購入 ドル離れ加速
*LPR4カ月連続据え置き 追加緩和に慎重
*成長見通し上方修正4.9%へ、OECD
*鉱工業生産・小売売上高が減速
*輸出は対米で30%減少も、東南アジアで23%増
*2Q・GDPは5.2%増

(本日、中国再開) 
国慶節明けで中国市場が再開する、その中で今月の人民元はここまで5位で3.09%高。年初来では10位で0.37%安。円に追いついてきた。上海総合指数は年初来15.84%高、香港ハンセン指数は33.75%高。中国10年国債は1.88%。

(来週は重要指標の発表)
来週は9月貿易収支、消費者・生産者物価の発表がある。

(11月10日がやってくる)
 トランプ大統領は対中相互関税の適用停止期限を米国東部時間11月10日まで90日間延期する大統領令に署名している。

(米中大豆戦争)
中国は世界最大の大豆購入国。
米国と中国との間の貿易戦争は、結果的に中国へのブラジル産大豆の輸出を後押している。
中国は、4月に、トランプ大統領による通商措置への報復として、大豆に20%の関税を課しており、5月には米国産大豆の購入を停止しているという。
 米国の収穫期は9月に始まっているが、新規収穫分の中国への販売は一切行われていないため、米国の農家による抗議を引き起こしているという。
農家の損失を軽減するためトランプ政権は、今週、農業部門への支援パッケージを発表するとされており、CNNによるとその規模は100億から140億ドルの範囲になる可能性があるという。

(米中首脳会談は)
 トランプ大統領は、今後数週間以内に中国の習近平国家主席と会談する予定であると述べ「大豆は会談の主要な議題の一つとなるだろう」と語っているという。会談は、10月末に韓国で開催予定のアジア太平洋経済協力(APEC)首脳会議の際に行われる見込みとのこと。

(レアアース囲い込み戦争)
レアアースの価格が急騰している。中国による輸出規制の対象だけでなく、対象外の品目までも騰勢を強めている。中国に次ぐ生産量を持つ米国によるレアアースの囲い込みで、電気自動車(EV)などに使われる永久磁石の主原料にまで影響が及んでいる。

中国は強硬姿勢を崩していない。7月下旬、レアアース管理強化の新規則が公布された。中国でのレアアースの採掘や精製総量の規制を強化する内容だ。
米中貿易協議の進展期待が広がっている半面、米中の二大大国によるレアアース囲い込みは進む。米国はウクライナやトルコのレアアース開発協定を結ぶ見込みだ。