この記事は2025年12月10日(水)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「西原宏一氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。


FXトレード戦略
(画像=StudioProX/stock.adobe.com)

2025年12月10日(水)の午前11時すぎに、現役トレーダーの西原宏一さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。

西原宏一
青山学院大学卒業後、1985年に大手米系銀行のシティバンク東京支店へ入行。1996年まで同行にて為替部門チーフトレーダーとして在籍。その後、活躍の場を海外へ移し、ドイツ銀行ロンドン支店でジャパンデスク・ヘッド、シンガポール開発銀行シンガポール本店でプロプライアタリー・ディーラーなどを歴任後、独立。ロンドン、シンガポール、香港など海外ヘッジファンドとの交流が深く、独自の情報網を持つ。

現在の為替相場の傾向や相場観

そろそろマーケットでは来年の相場予測レポートが出始めている。

注目通貨のひとつに取り上げられているのが豪ドル/円だ。ただ来年を待たずにすでに豪ドルが上がり始めたので、RBAの動向を確認しておきたい。

現在、RBAの総裁はミシェル・ブロック(Bullock)氏で、彼は基本的にインフレに厳しいスタンス。ブロック総裁は、先週行われた議会証言(Senate Economics Legislation Committee)で下記のようにコメントした。

インフレが予想より持続的である場合、需要圧力が続いていることを示唆しており、将来の金融政策に影響を及ぼす可能性があると警告。次の数ヶ月でより多くの情報が得られるが、インフレが予想以上に持続する場合は行動する用意がある。また、これ以上の利下げがない可能性もあるし、もう少しある可能性もあると、双方向のリスクを示唆した。

この発言の背景は下記の流れとなっている。

RBAは2025年に3回利下げを実施(2月、5月、8月)し、政策金利を3.60%まで引き下げている。しかし10月のインフレ率が予想を上回って上昇。市場は当初さらなる利下げを織り込んでいたが、ブロック総裁の発言を受けて、市場は2026年8月までの利上げ確率を90%まで織り込み始めた。

つまり、利下げサイクルが終了し、場合によっては2026年に利上げに転じる可能性すら示唆する、かなりタカ派的な発言だった。

これにより先週から豪ドル/円が上昇開始。そして昨日9日(火)に行われたRBAは政策金利(OCR)を市場予想通り3.60%で据え置き。

その後のミシェル・ブロック総裁の記者会見で、「理事会は金融引き締めが必要となるシナリオを議論した」との発言があり、豪ドル/円は反発し104円台まで上昇している。

現在の為替相場の戦略やスタンス

来年の注目通貨の一つである豪ドル/円が年末すでに上昇開始。110円に向けて上昇を開始した豪ドル/円に注目したい。

▽豪ドル/円 日足チャート

251210nishiharaS
(画像=羊飼いのFXブログ)

*:当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。

羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
「羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。