本記事は、越川 慎司氏の著書『AI分析でわかった 仕事ができる人がやっている小さな習慣』(アスコム)の中から一部を抜粋・編集しています。
短いのに上司が思わずうなる、アピール抜群な週報、日報の書き方
「仕事してます」アピールで書く内容がどんどん増加
今、週報が年々豪華になりつつあります。いや、それどころか、週報ではあきたらず、日報に進化する例も。
理由は2つ。
1つは、新型コロナをきっかけにテレワークが増え、上司から部下の動きが見えにくくなったこと。上司が、目の前に部下がいないことで不安になり、部下が自宅でちゃんと仕事をしているかを、週報によって管理しようとしているのです。
2つ目の理由は、とくに大企業において、中間管理職の存在する意味が薄れてきたこと。中間管理職の主な仕事の一つが、「チームメンバーの報告書(週報)を集めて、『自分のチームが今週やった実績』を会社へ報告すること」になってしまっています。
そのため、会社への報告の「元ネタ」として、部下により詳しい週報を求めるようになってしまったのです。部下も「テレワークでもちゃんと仕事をしてますアピール」をしてしまいがちな傾向にあり、結果として内容がもりもりな週報が誕生してしまいます。
本来、部長や課長などの中間管理職は、部下たちを管理、指導して、チーム目標を達成するのが役割でした。社歴20年以上の管理職の人たちは、自分がかつて若かった頃、マネジャーからそうやって管理、指導されて成長してきたという過去があります。
30年前の日本なら、上司のティーチング(答えがわかっていることを、こうしなさいと教えること)が有効だったからそれでよかったのです。しかし、現代では、もう上司も未来へ向けた成果の出し方の答えがわかりません。現代で必要なのはコーチング(答えの出し方を教えること)なのです。
にもかかわらず、今でも「管理が命」の古いタイプの中間管理職は、「週報によって過去に何をやったかを把握して、上に報告すること」が大切だと思い続けている。
しかし、そういう、過去情報の管理、分析はAIがもっとも得意とするところです。中間管理職にとってはまさに存亡の危機。危機感があるから、部下に求める週報が、さらに豪華になっていく…… という悪循環になっているのです。
書かされる部下にとっては、迷惑な話としか言いようがありません。
解決策
ひょっとすると、あなたは「もう日報・週報自体がムダだよ」と思っているかもしれません。お気持ちはわかります。
しかし、ルールとして決められている定期の報告をなくすのは難しいでしょう。極力手を抜いた、簡略化した報告をするという方法もありますが、それだと評価を下げるリスクも伴います。
だからと言って、「やったこと」を細分化し、特盛にして報告する週報で、上司にアピールしようとしていたら、凝りに凝った豪華な週報の作成地獄にハマってしまいます。
実は、会社の上層部にヒアリングをしてみると、役員クラスの誰もが「報告書が豪華だからといって評価することはない」と明言しています。会社から評価されるのは、「短時間でコンパクトに成果を出してくれる人」なのです。
当然、報告書も、「やったことの羅列」よりも「どんな成果があったか」とか、「これから何をしたいか」のほうが重視されています。
ですから、週報を書くときは、すぐ上の上司より、むしろターゲットをずっと上に置いて、「インフォメーション(情報)週報」から「インサイト(洞察)週報」へと、中身をシフトさせるのがよいのです。
週報には、「内省」と「宣言」という2つの役割があります。
「内省」は、「やったことを振り返って何がよかったか、あるいは悪かったか」「失敗から、何を学んだか」など。
「宣言」は、内省を踏まえて、「来週からはどう行動改善していくか」など。
この2つが入っていれば、週報は「目標達成」という未来に目を向けた中身となります。豪華でなくても、どんなにコンパクトでも、これが入っていればオーケー。
日本企業の管理職は9割がプレイングマネジャーですから、できるマネジャーほど、実質的でコンパクトな週報を喜んでくれます。
上司も、本当は、上から評価されない「情報」だけの報告よりも、「失敗をどう乗り越えたか」とか「失敗から何を学び、次にどう生かすか」などといった洞察について報告したいのです。
最後に、週報の報告を待てずに、しょっちゅう、「あの件、どうなった?」などと聞いてくる上司への対策。
これはもう、先手必勝に尽きます。そういう上司は、心配で仕方がないんです。
ですから、聞いてくる前に、あなたのほうから先に、「私は来週、これとこれをやります。進捗率は現在33%です」と、報告してしまう。
いや、報告するというより、上司からいつでも状況が見えるようにしておけば手間いらず。「見える化」ではなく「見せる化」が有効です。
「インフォメーション」ではなく
「インサイト」を共有する!
のべ800社以上、17万人を超えるビジネスパーソンの効率アップを支援。日常業務にひそむ「名もなきムダ仕事」の撲滅に注力する。
「株式会社クロスリバー」では、メンバー全員が週休3日・週30時間労働を継続。
著書に『AI分析でわかった トップ5%社員の時間術』『AI分析でわかった トップ5%リーダーの習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『世界の一流は「休日」に何をしているのか』(クロスメディア・パブリッシング)ほか多数。
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