本記事は、越川 慎司氏の著書『AI分析でわかった 仕事ができる人がやっている小さな習慣』(アスコム)の中から一部を抜粋・編集しています。

AI分析でわかった 仕事ができる人がやっている小さな習慣
(画像=fumoto-lab/stock.adobe.com)

書類をPDF化しても、結局印刷する謎現象はなぜ起きるのか?

掛け声倒れのペーパーレス化で、むしろ紙の書類が増加

会議用の資料を大急ぎで出力したいのに、そういうときに限ってプリンターが紙詰まりを起こす! ありますよね。
また、自分がコピーをしているときに限って、トナーインクが切れて、カートリッジを交換しなくてはならない! これもありがち。
「どうして、このタイミングで!」と、言いたくなります。
気分は、「プリンター・コピー機のお世話は、後輩社員のお世話より手がかかる!」でしょうか。

データで言えば、今やほぼ100%の企業が「ペーパーレス化」に取り組んでいます。
にもかかわらず、やっぱり会議のときは、出力した資料を手元でペラペラめくりながらやりたいとか、取引先からPDF画像で請求書を送ってもらっても、社内で経理処理するときは、それを印刷してから処理するとか……。データの量が増えている分、ヘタをすると、以前より紙の量が増える「紙増量ペーパーレス」なんてことになりかねません。
本当の意味でペーパーレスが進んでいないのが多くの企業の実態です。

社員も同様で、せっかく給与明細がデジタルデータで送られてくるようになっても、それを社内のプリンターで出力して家庭に持ち帰る人がたくさんいます。
その結果、出力したのに回収し忘れた社員の給与明細が、会議用の出力資料に紛れてしまい、会議中に「なんか、鈴木さんの給与明細が入ってるぞ」なんていうことも本当に起こっています。

なかには、某IT企業でのセミナーの説明資料に社員の給与明細が交ざってしまっていて、参加者から「セミナーの会社は、結構、いい給料をもらっているんですね」と言われてしまったというシャレにならない事故も実際に発生しています。

解決策

まず、事故を防ぐための意識としては、「印刷というものは便利な反面、リスクがあることを意識して、ちゃんとプリンターにパスワードをかける」「不要になったらしっかりシュレッダーして廃棄する」などを徹底すること。企業からお客様の個人情報が流出してしまうのは、いまだに、紙によって外に漏れることが多いのですから、注意が必要といえます。

ペーパーレス化については、そもそも、脳科学的に言えば、記憶定着率は、資料を出力しても画面上で見てもそれほど差がないことがわかっています。せいぜい、指の筋肉を使ってペラペラと紙をめくることで、記憶力が10%高まるくらいの違いなので、資料を出力することにあまり意味がないと知りましょう。

とはいえ、とくに役員には、「資料は紙で見ないと頭に入ってこない」「印刷したものに、手書きでペン入れしたい」などと言う方も多いでしょう。そんなときは、どうすればよいのか。

結論で言えば、私はペーパーレスに変にこだわらず、印刷でよいと思っています。

ただ、印刷したものだけを元データにして保管していると、探すときに時間がかかってしまいます。

ですから、「元データになるもの、探すことが多いものはデジタルで保管する。一覧性を高めたり即座に手書きで修正を指示するときは“例外扱い”で印刷する」というように、用途によってデジタルと印刷を使い分ければよいのです。“例外扱い”となれば、堂々とプリンターで印刷することがなくなりますので、印刷量が激減します。
そして、印刷した紙の資料は、スキャンしてデジタルで保管。不要になったら即座にシュレッダーしてリサイクルに回すようにする。
これが一番、安全で効率的です。

基本はデジタルとし、一部の例外で印刷を認める「併用型」がオススメ

AI分析でわかった 仕事ができる人がやっている小さな習慣
越川慎司(こしかわ・しんじ)
日本電信電話株式会社(現NTT)、ITベンチャーの起業などを経て、2005年にマイクロソフトに入社。業務執行役員としてPowerPointやExcelなどの事業責任者などを歴任。2017年に業務改善コンサルティング会社「株式会社クロスリバー」を起業。
のべ800社以上、17万人を超えるビジネスパーソンの効率アップを支援。日常業務にひそむ「名もなきムダ仕事」の撲滅に注力する。
「株式会社クロスリバー」では、メンバー全員が週休3日・週30時間労働を継続。
著書に『AI分析でわかった トップ5%社員の時間術』『AI分析でわかった トップ5%リーダーの習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『世界の一流は「休日」に何をしているのか』(クロスメディア・パブリッシング)ほか多数。

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