本記事は、安達 裕哉氏の著書『コミュ力が高い人が話しながら意識していること』(日本実業出版社)の中から一部を抜粋・編集しています。
「会話のうまい人」とそうでない人の決定的な差はどこにあるか
公私ともに、会話のうまい人をたくさん見てきた。
会話はコミュニケーションの起点であり、また終着点でもある。上手であることに越したことはない。
では、どうすれば「会話がうまい」と言われる人になり得るのだろうか。
一説によれば「聞き上手になりなさい」と言う人がいる。ウンウンと相手の話をよく聞き、相手に気持ちよくしゃべってもらうことに注力せよ、と言う。
しかしそれはどうも違うと感じることがある。
たとえば、私はふだん「聞き上手」の人をあまり求めていない。むしろ勝手に話しててくれる人のほうがコミュニケーションをとりやすい。
結局、「会話のノウハウ」は、相手にあわせて、臨機応変にせざるをえない。だから、最近まで私は「会話に王道なし」と割りきっていた。
実際のところ、ある人とミーティングするにあたってこれまで「話し上手」だと思っていた方が、ほかの人と話すと「聞き上手」だったことがある。
私は気になり、ミーティングのあと彼に尋ねた。
【私】「話し上手」と「聞き上手」は使い分けている?
【彼】会話には、いくつかのパターンがあり、使い分けは当然。そもそも「聞き上手」とか「話し上手」とかは、会話の1つの側面を切り取っただけで、本質はそこにはない
【私】では、本質はどこにある?
【彼】まず、よく言われるとおり、会話は「キャッチボール」だ
【私】それは知っている
【彼】では、キャッチボールが成立するための条件は?
【私】条件? うーむ……
【彼】たとえば、野球を覚えたての子どもと、プロ野球選手のあいだでもキャッチボールは成立する
【私】まあね……
【彼】でもそのとき、プロ野球選手は手加減するだろう?
【私】うん……
【彼】じつは、会話もどちらかが「手加減すること」が絶対に必要なんだよ
「手加減……」と言われても、わかったような、わからないような表現だ。実際、何を手加減すればよいのかよくわからない。
【彼】私の言っていることがわからない?
【私】うん……
【彼】たとえば、ある友だちに自分の好きなゲームの話をするとしよう。自分は詳しいけど、相手はそのゲームをしたことがない
【私】よくあるね
【彼】ならば自分は「相手がどこまでそれについて知っているのか」をたしかめながら話を進めなくてはならない。格闘ゲームなら、格闘ゲームをやったことがあるか、「コマンド」を理解しているか、格闘ゲームの面白さについて聞いたことがあるか、これらが「手加減」だ。これをしないと、相手はキョトンとしてしまうか、「よくわからない話だ」と思いながら話を我慢して聞くだけになる
【私】なるほど
【彼】だから会話が面白いのは、じつは「同じ知識レベル」の人同士のときだよ。手加減しなくていいから。話していて、「つまらないな、この人の話」と感じるときは、知識レベルに隔たりがあるときだね
【私】たしかにそうだね
【彼】それを理解したうえで、次に「3つのモード」を使い分ける
【私】何それ?
【彼】会話というのは、目的によって3つに類型化される。「議論モード」と「共感モード」、そして「提供モード」
【私】はじめて聞いた
【彼】だろうね。私が勝手につけただけだから。でも、意識するだけでけっこう役に立つ
そして彼は、次の3つを教えてくれた。
① 議論モード
自分と相手の話す割合が5:5になるようにする。これはお互いがきちんと意見を言い合って、よりよい知識を生み出すための会話の方法。
② 共感モード
自分が「聞き役」で、話す割合は自分と相手が2:8くらい。この会話の目的は相手にスッキリしてもらうこと。
③ 提供モード
自分が8話して、相手が2くらい質問するイメージ。要するに情報提供。
【彼】と言っても、あくまでこれらは目安。でも、意識すると会話はかなり楽だよ。とはいえ……
【私】とはいえ?
【彼】本当に会話がうまい人は、こういう分析をいちいちせずとも、会話をうまく成立させてしまうけどね。それが本当のコミュニケーション強者だよ
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