三生医薬株式会社

健康食品やサプリメント業界に逆風が吹いている。そんな声が聞かれる昨今、OEM(受託製造)メーカーとして業界を支えてきた一社が、大きな変革を遂げようとしている。

健康食品・医薬品の受託製造メーカー、三生医薬株式会社。

同社は長年、製品を販売する企業の「黒子」として、高品質なものづくりに徹してきた。しかし、業界全体で信頼性が問われる今、製造を担う者こそが安心・安全の旗振り役になるべきだと、表舞台へと歩みを進め始めている。

日本マクドナルドで経営の中枢を担った後、まったくの異業種である三生医薬へ転身した今村朗社長。彼の目に、この業界はどのように映り、どこに可能性を見いだしたのか。逆風をものともせず、むしろチャンスととらえる経営哲学、そしてカプセル技術を軸に宇宙にまで広がる壮大な成長戦略について聞いた。

今村 朗(いまむら ろう)── 代表取締役社長
1965年、神奈川県生まれ。米国ワシントン大学MBA取得、ワシントン州公認会計士(CPA)。建設、金融、アパレル、外食など多様な業界で財務・経営の要職を歴任し、日本マクドナルドでは執行役員ビジネス・コントローラー、取締役を務める。2015年に三生医薬へ参画。CFO、代表取締役副社長を経て、2022年より現職。
三生医薬株式会社
世界の人々の心と身体の健康に貢献することをミッションに掲げ、1993年に創業した健康食品・医薬品の受託製造メーカー。25年3月期の売上高は286億円。ソフトカプセル、シームレスカプセル、錠剤、顆粒など多様な製剤技術を強みに、健康食品、医薬品、ニューアプリケーションの3事業を展開。単なる“製造請負”にとどまらず、企画・開発から市場づくりまで伴走する「共創型OEM」メーカーとして、お客様とともに新しい価値創造に取り組んでいる。
企業サイト:https://www.sunsho.co.jp/

目次

  1. プロが目をつける会社には、必ず成長のチャンスがある
  2. 圧倒的に足りなかった人材と体制。それが“伸びしろ”にしか見えなかった
  3. 「そもそも信頼されてない」。黒子から業界の主役へ
  4. 宇宙へ行ったアイマスク。カプセル技術が拓くニューアプリケーション
  5. ヴィーガンのイクラから工業用ボンドまで。カプセル技術の無限の可能性
  6. 「隣の人のパートナーになれない人が、お客様のパートナーになれるわけがない」
  7. 中立なOEMであり続ける。その立場でこそ、日本の健康の未来を創れる

プロが目をつける会社には、必ず成長のチャンスがある

── 前職の日本マクドナルドから、サプリメントの受託製造というBtoB、いわば職人の世界への転身は、大胆なキャリアチェンジに映ります。最初に三生医薬という会社にどのような可能性を感じましたか?

今村氏(以下、敬称略) もともと、マクドナルド以前もいくつかの会社を経験してきましたが、キャリアの軸は財務でした。三生医薬に参画したのも、最初はCFOとしてです。私自身は、意図したわけではないのですが結果的にさまざまな業種を経験してきて、財務という観点においては、それほど「異業種に来た」という感覚はなかった、というのが前提としてあります。

そのうえで、三生医薬に興味を持ったのは、当時、アメリカの大手投資ファンドであるカーライルが株主だったことです。今は東和薬品さんが親会社ですが、その前はカーライルでした。

── 投資ファンドが関わっている、という点に注目されたのですね。

今村 はい。投資ファンドが、言葉は悪いですが「目をつける」会社というのは、少なくともプロから見て成長性が高いか、あるいは我々のような経営陣が入ることで企業価値を高められるチャンスがある会社だと考えられます。そこで自分の力を発揮し、企業価値を高めることに貢献できたら最高の幸せだろうと思ったことが一つです。

もう一つ、カーライルが目に付けていた点でもあると思いますが、健康食品業界の構造そのものに可能性を感じました。

── 業界の構造、ですか。

今村 はい。業界には、消費者に商品を売るファンケルさんやサントリーさんのような「販売会社」、そしてGABAやグルコサミンといった原料を作る「原料会社」があります。我々のようなCDMO(受託開発製造企業)は、その中間に位置しています。

実は、世の中に出ているサプリメントの8割から9割は、我々のようなCDMOが作っているのです。販売会社が作っていると思っている方が多いかもしれませんが、そうではありません。

つまり、健康食品業界は我々CDMOなしには成り立たない。業界における我々の機能への依存度は非常に高いわけです。

私が入社した2015年は、ちょうど機能性表示食品制度が始まるタイミングでした。これからマーケットが大きく成長するだろうという見込みの中で、我々のような受託製造企業が大きな役割を果たすのは、ある意味必然だと感じました。

── なるほど。業界に不可欠な存在である、と。

今村 ええ。それに加えて、日本は高齢化先進国です。今後、アジア諸国をはじめ多くの国が、日本に続いて高齢化の問題を抱えることになります。また、「メイドインジャパン」の品質に対する海外での評価は非常にポジティブです。

こうしたことを考えると、日本国内だけでなく、海外にも成長の機会を求める大きなチャンスがあるだろうと感じました。入社当時に可能性を感じたのは、主にこの二つですね。

圧倒的に足りなかった人材と体制。それが“伸びしろ”にしか見えなかった

── 経営者として会社に目を向けたとき、乗り越えるべき経営課題をどのように感じましたか?

今村 当時も今も完全には変わりきっていませんが、やはり圧倒的に人材のスキルや経験が足りないと感じました。

約20年間オーナー企業として続いてきて、その間、健康食品市場は年率CAGR(年平均成長率)10%くらいでずっと成長してきました。会社はその成長に追いつけ追い越せと設備投資を繰り返し、とにかくキャッチアップすることで成長してきたのです。

そのため、たとえば経営管理の体制などがきちんと作られていませんでした。会社を近代的に経営するために必要な人材も不足していました。私が入社した当時、広報担当はいませんでしたし、CFOも、あえて言えばオーナーの奥様、というような状況でした。

── 会社の基盤となる部分が、まだ整っていなかったのですね。

今村 原価計算がきちんとできていなかったりもしました。経営管理体制や人材のスキル・経験という面では、圧倒的に足りないな、と。

しかし、逆に言えば、そこをきちんと補充していけば、この会社は成長するのだろうと確信しました。私には、それが“伸びしろ”にしか見えなかったですね。

── そのような改善の余地が多くある中で、最初に取り組まれたことは何だったのでしょうか。

今村 CFOとして入社したので、まずはCEOとタッグを組んで、経営管理体制を充実させることから始めました。それまでなかった営業戦略を組み立てたり、製造業ですから生産性をきちんと把握して改善する必要がありましたが、そもそも「生産性とは何で測るのか」という定義から始めなければならないような状態でした。

そういったことを、一つひとつ確立していったことが一番大きいと思います。

私が入社して最初の仕事は、中期経営計画と予算の策定でした。入社したのが8月末で、そのころは12月決算だったので、ちょうど予算と中計を仕上げなければいけない時期だったのです。

── いきなり大きな仕事が待っていたのですね。

今村 ところが、それまで一度も作ったことがなかったのです。中期経営計画も予算も。CFOとしてそれを策定することが最初から求められていたので、入社前の7月や8月の取締役会にもオブザーバーとして出席し、議論を踏まえて、入社後すぐにちゃんとしたものを作れるように準備していました。当初は、それくらいのレベルの会社だったわけです。

「そもそも信頼されてない」。黒子から業界の主役へ

── 市場環境についてですが、紅麹問題などもあり業界には逆風が吹いているという見方もあります。消費者の目が製造元や信頼性に向かうようになった今、御社はどのように感じ、アプローチしていますか?

今村 我々のようなOEMの会社が「黒子」であるべきだ、という考え方は、少なくとも私が社長になるまでは社内でも当たり前でした。どこの会社のどの製品を作っているのか、営業担当以外は知らない、ということが事実であり、それが求められてもいました。

しかし、私はむしろ逆だと考えています。

先日の紅麹の事件は、亡くなられた方もいらっしゃるので軽々なことは言えませんが、事実を冷静に見れば、ある種の食中毒事件だったわけです。

どこかの鰻屋で食中毒が起きても、「もう日本中のうなぎ屋には行かない」という人はたぶんいないでしょう。それと同じで、ある特定の会社の、ある特定の原料が原因で起こった問題が、健康食品業界全体への信頼を損ねてしまった。これはメディアの報道の仕方も影響していると思いますが。

その後、消費者庁などはGMP(適正製造規範)の義務化など、製造現場の管理基準を強化しようとしています。しかし、問題が起きたのは原料会社、つまりサプライチェーンの川上です。規制が強化されるのは、製造を担う我々なのです。

── 矛先が違うのではないかと。

今村 ええ。ですが、この状況をネガティブにとらえるのではなく、私は逆にポジティブにとらえました。つまり、これによって、我々CDMOこそが消費者の安心安全を担保できる主体なのだ、ということが明らかになったのだと。

だから、黒子でいるのではなく、我々がちゃんと表に出ていこうと、意を新たにしました。 実は、この考えは紅麹問題が起きるずっと前、社長に就任したときから持っていました。自分たちが作っているものが、どこでいつ売られているのかも知らない。そんなつまらない仕事はないじゃないですか。

── 作り手としての誇りに関わる問題ですね。

今村 ドラッグストアに行って、「これはパパが作った製品なんだよ」「ママが包装したのよ」と子どもに話してあげられるような世界を作りたい。そうすれば、社員たちも自分たちの製品に誇りを持てるし、その気持ちが、より良いものを作ろうという品質向上にも必ずつながると考えました。

ですから、黒子として隠れるのではなく、オープンにしていきたいとずっと思っていたのです。そこに紅麹の問題が起こり、なおさら「我々こそが主役じゃないか」と改めて思いました。

── その考えのもと、具体的にどのようなアクションを起こしたのですか?

今村 社内の意識改革はもちろんですが、大きなアクションとしては「日本健康食品工業会」を立ち上げたことですね。

販売会社と原料会社に挟まれた中間にいる我々CDMOが、業界団体としてしっかり意見を発信し、法制度の改正などにもインプットできる。そういう団体が今までなかったので、作ろうと。同業他社の方々と協力し、紅麹の事件も背中を押す形となって設立に至りました。

将来的には、「日健工(日本健康食品工業会)に所属している会社が作ったサプリは安心だから買いたい」と消費者の皆さんに思ってもらえるような世界を作っていきたいと考えています。

宇宙へ行ったアイマスク。カプセル技術が拓くニューアプリケーション

── 業界の信頼再構築をリードする一方で、御社の攻めの戦略として、JAXAの「きぼう」利用プロジェクトに参画された「宇宙用アイマスク」のアロマカプセルについても注目しています。サプリメント製造とは少し離れた領域に感じますが、なぜ宇宙や香りといった分野に注力しているのでしょうか?

今村 それは、我々が掲げる「世界の人々の心と身体の健康に貢献する」というミッションに基づいています。我々のカプセル技術を、必ずしも医薬品や食品だけに限定する必要はない、と考えたのです。

人々の心と身体の健康に貢献できるのであれば、我々のカプセル技術をいろんなものに使っていこうじゃないか、と。社内では「ニューアプリケーション」(新規用途開発)と呼んでいますが、その一つが宇宙へ行ったアイマスクのカプセルでした。

── なるほど、攻めの一手というよりは、事業の新たな柱を作る取り組みなのですね。

今村 はい。医薬品事業、健康食品事業に次ぐ、もう一つの事業の軸として、3〜4年前に立ち上げました。

このニューアプリケーションには二つの方向性があります。一つは、今お話ししたように「カプセル技術」を食品・医薬品以外のものに使うこと。もう一つは、我々が持つ「原料開発技術」をサプリメント以外のものに応用することです。

── 原料開発もしているのですか?

今村 ええ。たとえば、ホヤから抽出される「プラズマローゲン」という成分があります。これは認知症への効果が臨床試験で証明されている、我々の独自原料です。今まではこれをサプリメントの中身として使ってきましたが、別にサプリメントでなくてもいいじゃないか、と。

プラズマローゲンが入った味噌汁でもいいし、別の健康成分が入ったノンアルコールビールでもいい。人々の心と身体の健康に貢献できる形は、もっと多様なはずです。

── アイマスクのカプセルは、その第一歩だったのですね。

今村 実は、ニューアプリケーション開発の第一号は、タバコのフィルターに入っているフレーバーカプセルなんです。フィルターを潰すとメンソールやフルーツの味がする、あの中に使われているのが我々の「シームレスカプセル」という特許技術です。これが世界的にとても売れて、我々のキャパシティが足りなくなるほどでした。

この成功を皮切りに、さまざまな新規用途開発を進める中で出てきたのが、アイマスクのカプセルだった、というわけです。

ヴィーガンのイクラから工業用ボンドまで。カプセル技術の無限の可能性

── カプセル技術を軸に、異業種とのコラボレーションが爆発的に広がる可能性を感じます。他にも驚かれるようなアイデアはありますか?

今村 本当に可能性は無限大だと思っていて、我々だけの発想では限界があると感じています。ぜひ、この記事をお読みの皆さまとアイデアを交換できるような機会があれば嬉しいですね。

今考えているものとしては、たとえば工業的な使い方です。農薬などにはすでに使われていますが、まだ製品化されていないアイデアとして、セメダインやボンドのような工業用途も考えられます。「包む」というカプセルの機能は、さまざまな分野で応用できるはずです。

── 食品の分野ではどうでしょうか。

今村 カプセルの柔らかさを調整することで、ヴィーガンの方でも食べられるイクラのようなものや、フェイクキャビアのようなものも作れます。

また、カプセルに調味料を閉じ込めて、噛むと新鮮な調味料が飛び出す、といった製品も可能です。

カプセルは空気に触れないので中身の鮮度を保てますし、持ち運びにも便利です。その特性を活かして、一回使い切りの化粧品などにも応用できます。過去に製品化したこともありますが、そういったものを復活させることも考えられますね。

── まさに無限大ですね。

今村 はい。ですから、異業種の方々と「こんなことできませんか?」とお話ししながら、一緒に製品を作り上げるようなことができたら、たいへん素晴らしいと思っています。

「隣の人のパートナーになれない人が、お客様のパートナーになれるわけがない」

── 2023年の東和薬品による完全子会社化や、カマタの買収など、組織が急激に拡大・変化しています。異なる企業文化を束ねるうえで、取り組んだことは何ですか?

今村 東和薬品さんが親会社になりましたが、我々が今までやってきたことを続けられています。そういう意味では、何か大きな変化のチャレンジに苦心している、ということではありません。

ただし、カマタの買収で100人近い仲間が増え、働く場所も離れていますから、共通の価値観を共有できる仕組みは必要です。

そこで重要になるのが、我々が掲げるミッション「世界の人々の心と身体の健康に貢献する」と、そのために定めたビジョン「三生医薬に関わるすべての人たちのベストパートナーであり続ける」です。

── ミッションとビジョンの浸透がカギになる、と。

今村 はい。しかし、ミッションは作っただけでは実現しません。我々一人ひとりの「行動」を変えなければならない。そのための行動指針・価値観として、「三生マインド」という「八つの約束」を作りました。

この価値観に基づく行動を、いつでもどこでもできるように、自分たちを変えていこう。それがミッションの実現に近づく唯一の道だと、社員たちに伝え続けています。カマタから来た仲間や、新しく入社した仲間にも、この「三生マインド」をしっかり理解してもらう。その繰り返しで、一つの三生医薬としてのカルチャーを作っているところです。

── 社長就任当時と比べて、組織はどのように変わったと感じますか?

今村 「三生マインド」という言葉が、ごく自然にみんなの口から出るようになってきたと感じます。

ただ、人が増えると、どうしても大企業病のように組織が縦割りになってしまう側面も出てきています。自分のやっていることが、カルチャーや人という観点でどれだけ成果に結びついているか、それほど自信はないですね。まだまだ道半ばです。

── これから新しく仲間になる方には、どのようなことを求めていますか?

今村 新しく入ってきた人には、必ず「三生マインド」を守れる我々になろう、という話をします。そして、ミッションにあるとおり「ベストパートナー」になるために、「まずは隣に座っている人のパートナーになろうじゃないか」と伝えています。

隣の人のパートナーになれない人が、お客様のパートナーになれるわけがありません。そのためには、隣の人のことを知り、人に興味を持つ必要があります。その人が何に喜び、何に苦しんでいるのか。どんな仕事をしているのか。それを理解しようとすることが、我々の会社で働くうえでの大前提です。

もちろんスキルも大事ですが、迎える我々自身も、新しく入ってくる人のパートナーになれるよう心して接することを、常に仲間たちに伝えています。

── グループ入りで財務基盤はより盤石になったかと思います。生産キャパシティの増強や新たなM&Aなど、アクセルを踏む計画はありますか?

今村 我々の成長戦略の根幹は、まず「マーケットを3倍にする」ことです。

日本のサプリメント摂取率は25%から30%ですが、欧米では75%にもなります。国民皆保険などの違いはあれど、日本のマーケットはもっと拡大できるはずです。マーケットが自然に増えるのを待つのではなく、我々自身が広げる。

そのために、先ほどお話しした工業会の活動や、健康経営を支援するBtoBtoEのプラットフォーム開発などに取り組んでいます。このプラットフォームは、パートナー企業と共同で開発しており、来春にはローンチする予定です。

そして、マーケットが拡大したときに、我々の「シェアを2倍にする」ことを目指します。そのために、国内では営業力の強化を進めています。

マーケットが3倍になり、シェアが2倍になれば、売り上げは6倍になります。そうなれば、当然キャパシティは足りなくなりますから、必要な剤形については設備投資を行うことになるでしょう。

── M&Aや海外戦略についても教えてください。

今村 業界全体で考えたとき、各社がバラバラに設備投資を進めても、業界全体で過剰なキャパシティが生まれるだけで、誰のためにもなりません。

そこで工業会の存在が重要になります。業界内で横のつながりをしっかり作り、消費者にとって最適な価格で安心安全な製品を届けられるよう、業界全体のキャパシティを考える必要があります。

我々のような業界大手は、そこでリーダーシップを発揮していきたい。その過程で、合従連衡のような動きが出てくれば、M&Aという選択肢も十分に視野に入ってきます。

幸い、我々自身も財務的にしっかりした基盤を持っているので、必要な投資は積極的に行いたいと考えています。

海外展開はまだ始まったばかりですが、非常に強化します。海外への健康食品輸出は、国ごとに規制(レギュレーション)がまったく違うため、ハードルが高いのです。お客様が特定の国に輸出したいと考えたとき、我々がその国の規制をクリアできるよう的確にアドバイスし、サポートする。このレギュレーション対応力を我々の強みにすべく、現在、重点的に投資を進めています。

中立なOEMであり続ける。その立場でこそ、日本の健康の未来を創れる

── 国内外で躍進を続けると、10年後の三生医薬はどのような姿になっているでしょうか。もはや単なるOEMメーカーには収まらない存在になっているように思います。

今村 いえ、私はOEMのままでいい、むしろOEMであり続けたいと思っています。

── それはなぜですか?

今村 中立的な立場が、とても重要だからです。もし我々自身が販売会社になってしまうと、当たり前ですが自社の製品を売らなければならなくなります。

そうではなく、中立に近い立場で、消費者の皆さんが「ピンピンコロリ」で大往生を遂げられるような社会の実現に貢献したい。健康食品というものへの信頼を抜本的に高め、「健康食品は必要なんだ」と誰もが思える世界を作るには、今のOEMという立場が最適だと考えています。

ただし、作れるものは増やしていきたい。販売会社さんが作りたいと願うものがあれば、それに応えられる技術力(ケーパビリティ)は備えていきたいですね。

── 事業ポートフォリオはどのように変化すると考えていますか?

今村 現在は、国内の健康食品事業の割合が圧倒的に大きいですが、10年というスパンで考えれば、医薬品、ニューアプリケーション、そして海外事業の比率を圧倒的に増やす。それが10年後の一つの姿だと考えています。医薬品開発は10年単位の時間がかかりますが、東和薬品が親会社である強みを活かし、着実に育てていきます。

私が常に大事にしたいと思っているのは、日本という国を大事にし、日本人としての誇りを持って、日本発のグローバル企業を育てていきたい、ということです。

我々は社内で「静岡発のグローバル企業を作るぞ」と言っていますが、より大きくとらえれば、日本発の、本当の意味でのグローバル企業を育て、世界の人々のウェルビーイングに貢献したい。

日本の伝統や文化を大切にしながら、日本人としての誇りを持って世界で戦う。そんな会社がたくさん増えれば、失われた30年とは違う、新しい日本の姿が見えてくるのではないでしょうか。ぜひ、皆さんと一緒にチャレンジしていけたら嬉しいです。

氏名
今村 朗(いまむら ろう)
社名
三生医薬株式会社
役職
代表取締役社長

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