スポーツクラブ大手4社の2025年3月期決算はそろって増収となった。本業のもうけを示す営業利益はルネサンス、コナミスポーツが増益を確保したのに対し、セントラルスポーツ、ティップネスは減益と明暗が分かれた。ルネサンスは買収した旧東急スポーツオアシスの買収が寄与し、初の売上高トップに立った。

4期連続増収も、会員数の戻りが鈍い

大手4社の売上高はコロナ禍が直撃した2021年3月期を大底に反転しており、4期連続の増加となった。施設利用の頻度や新規入会者が緩やかながらも上向いていることなどが寄与した。とはいえ、コロナ前の売上高には到底追いついていないのが実情だ。

コナミスポーツはコロナ前の2019年3月期の売上高(コナミグループのスポーツ事業部門)は635億円だったが、25年3月期は485億円と4分の3の水準にとどまる。セントラルスポーツも19年3月期の542億円と比べれば、70億円近い開きがある。

最大の要因はコロナ禍で減った会員数が戻っていないこと。例えば、セントラルスポーツのコロナ前の会員数は43万人(個人)を超えていたが、25年3月末時点で約35万人。

各社とも会費の引き上げや会員種別の見直しなどを進め、増収に努めてきた。しかし、コロナ禍後の生活様式の変化を映し、パーソナルジムや24時間ジムなどの小型店舗が急速に増加。小型店舗ではRIZAPグループの「チョコザップ」に代表される24時間営業の無人ジムが手軽さや会費の安さを売り物に台頭し、顧客を奪われているとみられる。

コナミ、営業利益でルネサンスを上回る

2025年3月期は業界内の順位が入れ替わったことが特筆される。マシンジム、スタジオ、プールを兼ね備えた総合型スポーツクラブの分野で、ルネサンスは3位が“指定席”となって久しかったが、買収を足掛かりにコナミ、セントラルを抜いてトップに立った。

ルネサンスは昨年3月末、首都圏と近畿圏を地盤とする準大手の東急スポーツオアシス(当時の売上高171億円)を子会社化(今年4月1日付で吸収合併)。この結果、25年3月期の連結売上高は46%増の637億円となり、2位以下を150億円以上引き離した。

また、本業のもうけを表す営業利益も54%増の19億4000万円と大幅増益を確保。全社的な省エネ対応や、政府の電気・ガス料金支援で光熱費を抑制できたことなどが奏功したという。ただ、売上高に対する営業利益率は3%といぜん低水準にある。

コナミも営業利益は39%増の28億円で、ルネサンスを上回った。同社はコロナ禍を機に固定費を抑えるため、直営店の縮小を進める一方、施設の運営受託に軸足を移しており、こうした効果が出た格好だ。

ティップネス(日本テレビホールディングス傘下)は辛うじて2年連続で営業黒字を確保したものの、減益幅は6割を超え、増収策と合わせ施設運営コストの低減が急務となっている。