この記事は2026年7月21日に配信されたメールマガジン「アンダースロー(ウィークリー):強い経済を実現する意志を示す日本成長戦略」を一部編集し、転載したものです。
目次
アンダースロー(ウィークリー):強い経済を実現する意志を示す日本成長戦略
日本経済の停滞の原因は、人口動態の宿命ではなく、投資不足の意志の問題です。城内日本成長戦略担当大臣を中心に、専門家の英知を結集し、官民連携の戦略投資の拡大で、強い経済を実現する意志を示す、グランド・デザイン(日本成長戦略)が生まれました。
経済政策の総動員で、民間投資をクラウディング・インして、国力を強くする、グローバルな厳しい競争になっています。新自由主義の古い考え方で、政府の関与の拡大とクラウディング・アウトを懸念していては、日本は時代の変化に取り残され、競争に劣後し、国力の衰退を招きます。官民の投資額の想定が明確に示され、企業と政府の支出する力である、ネットの資金需要のターゲットが、事前に、決定されたことになります。
ネットの資金需要は-5%がターゲットで、官民の支出する力を強くし、家計に所得を強く回します。投資需要の拡大で、需給ギャップ2%の「高圧経済」とし、景気を十分に強くすることで、民間の投資の誘発力を強くします。設備投資と公共投資の実質GDP比が上昇を続け、賃金上昇をともない、企業貯蓄率が低下し、ネットの資金需要が十分となることが、成長戦略の、進捗の尺度となります。
長期投資の拡大には、長期資金の安定供給が必要であり、民間投資誘発のための、十分な財政支出も必要であるなど、成長戦略を推進するための、金融と財政の課題が残っています。年金財政検証のメインシナリオを、成長戦略に連動させ明確化し、年金基金は、海外ではなく、国内に圧倒的に多くの資金を供給し、金融機関のバーゼル規制への対応は柔軟にすべきです。消極的な概算要求と査定による削減で、追加財政支出が過小で、想定する官民の投資額が実現できないことがあってはなりません。
成長戦略に合わせて、中長期の経済財政試算では、企業貯蓄率のマイナス化、ネットの資金需要の-5%への拡大、家計貯蓄率の上昇によるファンダメンタルズの回復のシナリオが、示されるべきです。
図1:アンダースロー(ウィークリー):強い経済を実現する意志を示す日本成長戦略
日本経済の停滞の原因は、人口動態の宿命ではなく、投資不足の意志の問題です。城内日本成長戦略担当大臣を中心に、専門家の英知を結集し、官民連携の戦略投資の拡大で、強い経済を実現する意志を示す、グランド・デザイン(日本成長戦略)が生まれました。
経済政策の総動員で、民間投資をクラウディング・インして、国力を強くする、グローバルな厳しい競争になっています。新自由主義の古い考え方で、政府の関与の拡大とクラウディング・アウトを懸念していては、日本は時代の変化に取り残され、競争に劣後し、国力の衰退を招きます。官民の投資額の想定が明確に示され、企業と政府の支出する力である、ネットの資金需要のターゲットが、事前に、決定されたことになります。
ネットの資金需要は-5%がターゲットで、官民の支出する力を強くし、家計に所得を強く回します。投資需要の拡大で、需給ギャップ2%の「高圧経済」とし、景気を十分に強くすることで、民間の投資の誘発力を強くします。設備投資と公共投資の実質GDP比が上昇を続け、賃金上昇をともない、企業貯蓄率が低下し、ネットの資金需要が十分となることが、成長戦略の、進捗の尺度となります。
長期投資の拡大には、長期資金の安定供給が必要であり、民間投資誘発のための、十分な財政支出も必要であるなど、成長戦略を推進するための、金融と財政の課題が残っています。年金財政検証のメインシナリオを、成長戦略に連動させ明確化し、年金基金は、海外ではなく、国内に圧倒的に多くの資金を供給し、金融機関のバーゼル規制への対応は柔軟にすべきです。消極的な概算要求と査定による削減で、追加財政支出が過小で、想定する官民の投資額が実現できないことがあってはなりません。
成長戦略に合わせて、中長期の経済財政試算では、企業貯蓄率のマイナス化、ネットの資金需要の-5%への拡大、家計貯蓄率の上昇によるファンダメンタルズの回復のシナリオが、示されるべきです。
図1:ネットの資金需要(企業貯蓄率+財政収支)
図2:世界的潮流を踏まえた経済政策の転換
図:日本成長戦略の基本的考え方
図:日本成長戦略会議の官民連携の投資の戦略分野のポートフォリオ
以下は配信したアンダースローのまとめです
貯蓄投資バランスに対する無知が緊縮志向の呪縛につながる問題(7月14日)
貯蓄投資バランスは仕分けによる恒等式であり、いつでも成立するため、事後的に成立するというのは間違いである。貯蓄投資バランスは恒等式に過ぎず無意味だとの指摘は、三角形の内角の和は常に180度であり、種類はないと述べるに等しい。貯蓄投資のバランスの形によって、経済のファンダメンタルズの状態は大きく異なるため、十分なネットの資金需要が必要である。日本経済の再生のために望まれる官民連携の投資額(17戦略分野で2040年度までに370兆円超)が決まったことで、企業と政府の支出する力のターゲットが事前に決定された。政府が投資をしても、企業がどれだけ投資をするのか分からないという無責任な考え方は、高市政権の成長戦略の方針と矛盾する。
ネットの資金需要(企業貯蓄率+財政収支)は-5%(GDP比)がターゲットで、官民の支出する力を強くし、投資による生産性向上で、家計に所得を力強く回す。ネットの資金需要の家計貯蓄率に対する相関係数とβは高い。官民連携の戦略投資の拡大によるネットの資金需要の回復が、国際経常収支の黒字の縮小ではなく、家計に所得が回ることで貯蓄が十分になされ、ファンダメンタルズを回復させることは明らかだ。国内の供給能力の拡大は、ネットの資金需要の回復が、海外への所得流出ではなく、国内の所得に回る力をより強くする。
貯蓄投資バランス:家計貯蓄率+企業貯蓄率+財政収支(政府貯蓄率)-国際経常収支=0
日本成長戦略で脱却するとされた、「過度な緊縮志向」の定義を曖昧にしてはならない。
① 政府は、財政健全化を優先し、経済のパイを持続的に拡大する責務を果たさなかった。
② 需給ギャップが0%近傍まで回復したところで、軸足を景気回復から財政健全化に移し、景気は十分に強くならなかった。
③ 企業と政府の合わせた支出する力であるネットの資金需要を消滅させ、家計に所得が十分に回らなかった。
サナエノミクスでは、経済のパイの持続的な拡大にコミットし、投資需要で需給ギャップを2%まで押し上げる「高圧経済」とし、ネットの資金需要のトレンドを「過度な緊縮志向」の0%から、「投資・成長型」の-5%まで拡大し、強い経済を実現するとともに、国民に景気回復の果実をもたらす。「過度な緊縮志向」が残り、国債発行による「『強く豊かな日本』投資枠」が過小となり、官民投資額の不足で、グローバルな競争に劣後し、国民を更に困窮させることがあってはならない。
国債は、将来の税収で返すことはなく、永続的に借り換えされていくため、負担は利払い費のみである。将来の便益が利払い負担を上回る戦略投資は、国債で躊躇なく実施すべきで、債務残高GDP比を悪化させる要因にはならない。内閣府の中長期的な経済・財政試算の成長戦略実現ケースで、債務残高GDP比が、直近大きく低下し、追加財政支出は、10兆円を大きく超えられることが示されたと判断できる。補正から通常予算に回る経常支出を除き、追加投資支出を試算すべきだ。民間投資の誘発とGDPを押し上げる効果を含め、安定的な債務残高GDP比のもとでの、追加投資支出の最大限の額を試算すべきだ。追加財政支出の中身が投資と経常支出に分けられておらず、投資の経済に対する影響が考慮されない、機械的な試算は、「投資枠」の上限としては全く参考にならない。
図1:ネットの資金需要(企業貯蓄率+財政収支)
図2:家計貯蓄率とネットの資金需要
図3:ネットの資金需要と家計貯蓄率の相関係数(5年ロール)
図4:企業貯蓄率と内閣府需給ギャップ
年金財政の長期構造を踏まえれば日本国債への投資比率の大幅な引き上げは極めて合理的(7月14日)
内閣府の日本成長戦略の下での中長期的な経済・財政の姿に関する試算では、「成長戦略実現ケース①」、「成長戦略実現ケース②」、「現状投影ケース」の、成長戦略の効果の発現度合いに応じた3つのケースが提示されている。最も潜在成長率見通しの高い「成長戦略実現ケース①」では、成長戦略効果が明確に発現することが見込まれる2036年度から2040年度まで全要素生産(TFP)は1.4%、次に見通しが高い「成長戦略実現ケース②」では同1.1%、十分に効果が発現しない「現状投影ケース」では0.6%となっている。そして、公的年金の長期的な財政状況や積立金の見通しを示す、厚生労働省の年金財政検証も同様に異なる経済成長シナリオを提示しており、概ね同水準のTFPとなるのは、順番に「高成長実現ケース」、「成長型経済移行・継続ケース」、そして「過去30年投影ケース」である。年金財政の長期構造を踏まえて、公的年金の財政検証における見通しと、積立金運用で採用している運用スタンスの間で生じている不整合を是正する必要がある。
賦課制度である日本の年金制度の収入は、保険料収入と国庫負担、そしてバッファーとして運用で回す年金積立金で構成される。積立金は、基本的には将来の給付に充てるため取り崩し、概ね100年間で財政均衡を図る方式で、終了時に給付費1年分程度の積立金を保有することとしている。実質経済成長率-0.1%を仮定する「過去30年投影ケース」は、賃金伸び率が低いことから収支はマイナスとなり積立金が取り崩され、見通し期間最終年の積立度合い(前年度末積立金の当年度の支出合計に対する倍率)は1倍に収束する。一方で、実質成長率見通しが1.1%の「成長型経済移行・継続ケース」、また同1.6%の「高成長実現ケース」では、収支がプラスで推移し、見通し最終年では積立度合いがそれぞれ23倍程度と、足下の5倍程度から上方に発散することになる。積立金が大きく増加すれば、取り崩しによって保険料率を引き下げる余地が生まれるはずである。
どのケースがメインシナリオであるかは明示されていないものの、年金財政の長期構造としては積立度合が100年後に1倍となる「過去30年投影ケース」を、社会保険料の計算のベースに置いていると考えられる。同ケースの年金基金の長期的な運用目標は、名目賃金上昇率1.3%+実質的な運用利回り(スプレッド)1.7%=3.0%である。しかし、現状の年金積立金の運用ポートフォリオは半分が海外資産に投資されており、長期的な運用目標を大幅に上回る運用利回りで、リスクが必要以上にとられている可能性が高い。現状の基本ポートフォリオは、国内債券25%、外国債券25%、国内株式25%、外国株式25%である。日本国債の超長期金利が3%台後半であることを踏まえても、マイナスの実質成長率である過度に悲観的な「過去30年投影ケース」をメインシナリオとして継続するのであれば、運用目標に沿って国債を中心に国内債券の投資配分を25%から大幅に増やすことが合理的である。
年金基金の想定運用利回りが5.2%である「成長型経済移行・継続ケース」は、成長戦略が実現することによって積立金が将来的に増加し続けるシナリオである。なお、保険料収入が少なくなる出生低位ケースでも、結論は変わらない。賦課制度において積立金は余剰な資産であり、保険料率を下げて保険料収入を減らし、現役世代の負担を軽減することは合理的である。または、想定運用利回りを下げて、運用目標に沿って国内資産に配分を増やすことも合理的である。賦課制度下の年金基金の膨張は、本来民間にあるべき長期資金を政府が吸収していることを示す。民間から吸収した長期資金の50%が海外に振り向けられてしまっているため、長期投資の拡大が予想される中、日本で長期資金が不足する不安がある。年金基金の基本ポートフォリオ見直しは、年金財政の長期構造を踏まえて検討すべきで、国債を中心に国内債券の割合を25%から大幅に増やすことは合理的である。
図1:厚生年金の財政見通し(過去30年投影ケース)
図2:厚生年金の財政見通し(成長型経済移行・継続ケース)
図3:厚生年金の財政見通し(高成長実現ケース)
図4:厚生年金の積立度合
積立度合」は前年度末積立金の当年度の支出合計に対する倍率。国民年金から優先的に取り崩し、100年後に1と置く。
:厚生労働省、クレディ・アグリコル証券)
日本経済見通し
日銀、クレディ・アグリコル証券)
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