同じような専門家集団である監査法人の歴史

弁護士とは異なるが会計の専門家集団である監査法人は、先行した動きをとっている。

クライアントである上場企業のグローバル化により、国内の企業単体だけではなく海外子会社等も含めた、国際的な対応が求められるようになり、対応が難しい中堅の監査法人はどんどん経営統合していき、今では四大監査法人といわれるほど寡占化が進んでいる。これを受けて、四大監査法人以外の中堅の監査法人は監査法人のメイン業務である上場企業の監査以外の株式公開業務や税務コンサルティング業務といった周辺業務に特化し、すみ分けができている。

垣根のない総合力での勝負の世界へ

今後は、法律事務所も大手企業が求める業務に応じ再編が進み、最終的には監査法人がたどってきた道のようにいくつかに集約されていくと考えられる。しかし、大手法律事務所が採算の関係で手がけない業務もまた多く発生するだろう。その場合は、マチ弁と言われるような町に根ざした法律事務所が、離婚に強い、相続に強いといった各の事務所の特色を強化して収益性を高め、大手法律事務所とすみ分けが今よりもさらに進んでいくのではないだろうか。

会計事務所が法律事務所に進出すれば、税務に強く、M&Aや相続がワンストップで提供される等、非常に驚異となり得る。これからは業界の垣根がどんどん低くなっていくだろう。大手法律事務所といえども、うかうかしておれない時代だ。

(ZUU online)