◉富裕層にとっての株式投資


最近、妙に株式相場が乱高下しておりますが、こんなことで富裕層の投資家の皆さんは一喜一憂する必要はありません。この項では、資金力が充実した富裕層の方ならではの投資法を提案します。

皆さんはインカムゲイン投資という言葉をご存知でしょうか。売却益より配当や優待を重視する株式投資法で、大口の投資家に向いています。筆者は元証券外務員でしたので、よく友人からこんなことを聞かれます。「確実に勝てる株はありますか?」と。筆者はこんな風に答えています。「株式投資で確実に勝つ方法はありませが、勝たないまでも負けない方法ならあります」。この負けない投資法がインカムゲイン投資なのです。
まず、配当の高い銘柄を購入し5年から10年をメドに塩漬けにしてしまいます。配当や優待を楽しみながら時々株価に目をとうし、配当分はその会社に再投資します。不運にも株価が下がってしまったら買い増しをします。なぜなら株価が下がると配当率が上がるからです。運よく上がったら譲渡益獲得のために売ってしまえばよいのです。

この方法を用いれば、10年後には初期投資額の倍近くになります。つまり、負けることなく利益だけを取るのです。筆者はこの投資法を、鎌倉時代の武将「楠正成」からクスノキを拝借し「クスノキ投資法」と名づけ自らも実践しています。
楠正成の兵法は「勝つべからず、負けぬ戦(いくさ)をせよ!」がコンセプトであったそうです。この戦法は一見すると消極的な感は否めませんが、近代の戦術理論に通じるものがあります。過去の偉人に新しい投資法を学ぶ、まさに温故知新の精神です。「こんな投資法じゃあ一獲千金は狙えないよ!」と苦言を呈する方もあるでしょうが、筆者のような貧乏人は兎も角、富裕層の方が一獲千金を目指す必要があるでしょうか?既に皆さんは億万長者ではありませんか。富裕なる皆さんにとって株式とは、資産を増やすための一手段にすぎないのです。