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原油価格の下落が止まらない。13日のニューヨーク原油先市場で、WTI原油価格は一時1バレル44ドル台後半まで下落、約5年9カ月ぶりの安値をつけた。

2015年1月8日付の日本経済新聞の記事が、 原油価格安の背景として「米国のシェールオイル等生産コストが比較的高い資源の開発にブレーキが掛かるのを期待する我慢比べの要素がある。」「サウジアラビアの様な経済力のある産油国に於いては、向こう数年間くらい我慢比べに耐えられると判断している。」と伝えているように、石油輸出国機構(OPEC)が米国のシェールオイルに対して戦略を変えてきたとの見方がある。

つまり中東勢による米国の「シェールオイル潰し」がこの原油価格安の背景であるという。米国シェールオイルに比し中東は生産コストが安いとされていることから、米国のシェールオイル開発を採算割れに追い込む為ための戦略ではないかとしている。

原油価格の急落による影響は東京金融市場にも波及している。2015年1月6日の日経平均株価(225種)は前日比▲525円の16,883円となり大幅安値となった。外国人が一時リスクオフになって日本株を売却して資金を引き揚げたと見られる。今年の国内景気や株式相場の行方が、原油や世界経済の動向に強く影響される事ことが新春から早くも示された格好だ。

一方、資金は安全資産へと流れ込んだ。10年債(JP10YTN)の利回りは0.3%の節目を割り込み世界的にリスク回避の動きが広がっている。ただ市場では楽観的だ。原油相場の短期的な見通しはこのまま推移する一方で、家計や企業にとっての原油安は、特に製造業を中心とした経済では、内需を支える展開となりそうだからだ。また今年4月には統一地方選挙も控えこのまま原油価格安が続けば、2年で2%のコンセンサスを発表している日銀が追い詰められ、QE3を発動するのではないかとも囁かれている。

いずれにしても、市場の最大の関心事は米国の利上げ時期にある。今ところ、来年半ば前後という見かたが多いが、これまで伝わってきているFRB当局者の発言では、あくまで指標が示す実体経済を見極めながら検討するとしている。つまりこのまま原油安が続き米国経済が堅調に続いた場合、日本市場にとっては強気の相場が続くのではないだろうか。

(ZUU online)

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