電気自動車(EV)やモバイル機器の電池に使用されるリチウムイオン電池向け材料事業で、宇部興産 <4208> が新たな動きを見せた。1月15日に同社は、リチウムイオン電池の主な部材である電解液を米国で製造する Advanced Electrolyte Technologies を子会社化すると発表したのだ。
リチウムイオン2次電池はEVやデジタル端末のほか、産業用機器や電力の貯蔵に用いられるもので、IT技術の普及やEVの広がりなどで底堅い需要が見込まれており、宇部興産も「需要の増加が予想されている」としている。
市場調査会社の富士経済によるとリチウムイオン2次電池の市場規模は2013年には5670億円。'18年には9285億円と1兆円に迫る規模にまで成長すると予測されている。電解液だけでも、同社は'18年に687億円、1270億円の市場規模になるとみている。
宇部興産が今回、子会社化する Advanced Electrolyte Technologies (AET社)は、米国化学メーカー大手のダウ・ケミカル・カンパニーとの折半出資により設立した合弁会社で、需要増に対して海外での生産・販売体制の構築を進めていた。
リチウムイオン2次電池の主要部材として正・負極材、セパレータと電解液があり、宇部興産ではセパレータと並び電解液の生産を事業化。今回のAET社への出資比率を20%引きあげて70%とすることで、車載用電池や研究開発・生産・販売の体制構築と、コストダウンがさらに進められる見通しだ。
(ZUU online)
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