サクソバンクではスイスフラン暴落時にさかのぼり顧客に価格の再提示を実施

サクソバンクはこの事態が引き起こってから即座に約定価格がリクイディティプロバイダーとのリアルな取引価格に紐付けして変更する可能性があることを顧客に通知し、実際に価格の再提示を行いはじめている。証拠金取引業者と個人のトレーダーとの間では提示価格の再提示でもめごとが起こることはあるが、今回はさかのぼって価格を提示したインターバンクからサクソが再提示を受け、一部については取引の取り消しも行われている状況にある。ロイターやブルームバーグの報道によれば日本円にしてサクソバンクだけで300億円ほどの損失が見込まれるようで、規模はかなり大きい模様である。


FXCM社も顧客残高マイナス2億2500万ドルに

国内でもNDD方式のカバーモデルで話題を呼んでいる店頭FX業者FXCMも2億2500万ドルの口座残高マイナスに陥っているとの声明を発表し同社の自己資本規制比率の遵守が脅かされているとしている。現在同社では関係当局と議論を進めている模様だが、日本のエンティティがどのような状況になるのかについては一切発表が行われていない。


損害を抱えるFX業者では念のため取引を控えるのが得策

国内に展開しているこうした外資系店頭FX業者の場合、本国とは別法人として金融庁の求める自己資本規制比率や信託保全などを履行していることは間違いないが、国内の業者の場合には取引通貨ペアのバリエーション差はあってもレバレッジはどこで取引しても個人投資家は25倍が上限であるから、こうした状況でわざわざリスクをとって取引をする必要も感じない。くれぐれも慎重に取引されることが望ましい。


日本の店頭FX業者の場合ゼロカットシステムより厳しい取引条件

現状では国内の店頭FX業者に致命的な問題は起きていないようだが、海外の業者は海外での顧客との取引では日本には存在しないゼロカットシステムと呼ばれる証拠金額を上限とするロスカットの契約を行っており、仮に証拠金を超える損失がなんらかの形で起こっても投資家には追加請求は及ばないのがほとんどとなっている。

ところが国内では一見すると、一定の含み損がでればマージンコール、さらに損失が膨れれば業者の個別規定により強制ロスカットで投資家が守られるように見える。しかし、今回のようなことが月曜日のオセアニアタイム早朝に発生し国内業者が取引を開始する前に大幅な損失が出た場合には強制ロスカットが効かないことも考えられる。取引約款をよく読むとそうした場合には顧客が追証を要求されるようになっていることから、日本の業者も証拠金以上の損失は出ないから安心と理解しておくのは大きな勘違いであることをしっかり認識しておくべきである。

(ZUU online)

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