株式市場

スイスの通貨「スイスフラン」の上限撤廃の波紋が日本国内でも広がっている。スイス国立銀行(中央銀行)は為替の上限として1ユーロ=1.20スイスフランを設置し、介入を続けてきたが、突然の政策変更への対応に追われている格好だ。

欧州中央銀行(ECB)の追加緩和を控えて、スイス国立銀行が1月15日、唐突に上限を撤廃し、FX業者もそのあおりを受け、英FX業者のアルパリなど破綻する業者も出てきた。

国内でも各社が声明を発表するなど、影響が表面化してきている。証券・FX大手のマネックスグループ <8698> では、FXの取引を行っている顧客が被った損失に対する未回収金が16日現在で約1億6000万円になったと発表。損失に関して同社は、今後、顧客から回収を進める予定で、「業績や財政状態に与える影響は軽微だ」とコメントしている。

また、米国に親会社を持つFXCMジャパン証券は対スイスフラン通貨ベアの維持証拠金を従来の10倍から15倍へと引き上げる措置を講じている。加えて、相場激変によりスイスフランの流動性が著しく低下しているため、対スイスフラン通貨ベアの取引に関し注意が必要であるとアナウンスした。

一方で、影響は受けていないとする会社もある。大手FX会社、マネースクウェア <8728> は、「当社はスイスフランを取り扱っていないために、当社の連結業績に与える影響はない」との旨の発表をしている。

FXなどを管轄する金融庁も国内保有命令を出すなど対応を進めており、FX業者に顧客の取引状況の報告を求めている。国内の投資家への影響を慎重に見極める姿勢を鮮明にしている。

国内市場への影響は対ユーロ円安・株高と読み込まれ、現状では今週の日銀政策決定会合、ECB理事会の動きを注視する姿勢だ。

(ZUU Online)

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