皆様は年末、どのような過ごし方をされただろうか?実家に帰ったという人もいるだろうし、旅行に行ってきたという方も多いだろう。いずれにせよ日本人にとってお正月は一年で最も長い休暇のとれる特別な時期のひとつだ。
一方、お隣の中国でこの日本のお正月にあたるのが春節(旧暦のお正月)であることはよく知られている。この春節の時期は中国において、一年で最も消費が盛り上がりを見せる時期でもあることはよく知られている。しかし2015年の春節は近年と異なる様相を見せており、2015年の中国経済変調の兆しかとささやかれ始めている。今回は春節を前にして変調のみられる中国経済についてみていきたい。
世界中へ影響を与える春節の中国人消費
前述の通り、そもそも春節とは旧暦におけるお正月であり、2015年は2月18日から24日迄がその期間に相当する。この期間には中国国内だけでなく、世界中の中国人が帰省し、家族や友人とお祝いをして過ごすのが一般的だ。そして例年、この時期にはプレゼント消費が盛り上がりを見せ、特にシャネル、エルメスなどの高級品が一年で最も多く売れるのもこの春節の時期である。また近年の高級品についての「倹約令」のため、海外在住中国人が故郷に帰る際に、これらの高級品を「お土産・プレゼント」として海外で購入する場合も多く、日本でもこのような春節消費の恩恵を受ける百貨店が少なくない。
このように、近年、春節の時期の中国人消費は日本をはじめとした世界中の消費にも大きな影響を与えているのである。またこのような民間消費だけではなく、この時期は企業の投資が活発化する時期でもある。例えば、資源開発向けに需要大きい建機においても、売上の40%が春節の時期に集中するなど、メーカーにとって非常に重要な時期となっている。