中東情勢飛び火で高まる警戒、セキュリティ関連企業に注目

(写真=Thinkstock/Getty Images)

イスラム過激派組織「イスラム国」により、フリージャーナリストの後藤健二さんら日本人2人が殺害された人質事件は日本中に衝撃を与えた。さらにイスラム国はインターネット上に投稿した映像の中で、「お前の国民(日本国民)はどこにいたとしても、殺されることになる。日本にとっての悪夢を始めよう」と挑発的なメッセージを残し、日本国内でも警戒が高まっている。

日本人人質事件は、イスラム国が台頭するシリアで発生したが、昨年秋からカナダ、オーストラリア、フランス各国で、イスラム過激派によるテロ事件が相次ぎ、犠牲者が出た。この人質事件は、日本国内のテロに対する緊張感を一気に高め、セキュリティ関連企業が注目されている。


東京五輪控え警備関連企業に注目



日本政府は今回の事件を受け、国内でのテロ対策を強化する方針を表明。空港や公共施設などの警備のレベルを引き上げるとしたことから、株式市場では警備関連の企業に買いが殺到。中堅の警備会社RSC <4664> は2月2日から連日のストップ高となり、株価は278円から9日の終値862円まで高騰した。また、イベント警備などを取り扱うトスネット <4754> は、900円台前後で推移していた株価が、6日の終値で1,000円の大台を回復した。日本国内では2016年に主要国首脳会議(サミット)、2020年には東京五輪・パラリンピックという国際的なイベントが控えるため、警備関連の需要は当面順調に推移しそうだ。

一方国外では、今回の事件が起きたシリアを含む中東地域は、原油輸入先として最重要地域1つで、多くの企業が駐在員を抱える。2013年には、北アフリカのアルジェリアで、イスラム武装勢力が天然ガス施設を襲撃し、プラント大手の日揮 <1963> のスタッフら10人を含む人質40人が死亡したことは記憶に新しいが、日本のエネルギー政策上、中東地域から即座に撤退することはできない。各企業は、従業員の安全確保に細心の注意を払いながら、業務を続けることになる。


イギリスやアメリカの誘拐保険へ加入を



今回の事件から、日本人が中東各国で人質の標的となるリスクが高まったが、日本の民間軍事会社は少なく、中東での仕事では、欧米などの警備会社を利用せざるを得ない。また、後藤さんのケースでは、2億ドル(約235億円)もの身代金を要求された。莫大な身代金は企業の資金繰りには死活問題となるため、誘拐保険への加入も欠かせない。日本国内の保険会社では取り扱いがなく、イギリスのヒスコックス社やアメリカのトラベラーズ社などの誘拐保険商品を利用する他ない。イスラム国の台頭から中東情勢の不安が高まり、誘拐保険への需要も伸びている模様で、この1年両社の株価は右肩上がりで推移している。

日本国内だけにとどまらず、世界的にテロ対策としてセキュリティ関連企業の動向が注目を浴びる。これを機に、各企業が自社への対策についても早急に進めなければならない局面を迎えている。

(ZUU online)

【関連記事】

米Apple、同社史上「最大かつ大胆な」プロジェクトを発表

トルコ中銀にさらなる利下げの動き 2月金融政策委員会に注目

日経新聞や日経各紙(産業・MJ)まで全て利用可?ネット証券は『情報の宝庫』

JTタバコ事業強化へ なぜ人気商品「桃の天然水」から撤退したのか?

10万円以下でも買える?2015年の目玉LINE株を上場前に買う2つの方法