新築物件を購入して気に入らない部分があったり、「ここがこうなっていれば…」と不便を感じる個所はどこかしらあったりするようだ。
家・マンションという高い買い物を妥協して行うのではなく、中古マンションを安く手に入れて、自分好みにリフォームを行う「中古マンションリフォーム」が今、注目を集めている。この人気の「中古マンションリフォーム」、どんなことに気をつけるべきなのだろうか？
中古マンションリフォームのメリットとは？
中古マンションを購入してリフォームを行う最大のメリットは、新築物件を購入するよりも断然経済的なことである。駅から非常に近かったり再開発地域と隣接している物件は、中古であっても価格が新築と変わらなかったり、むしろ新築時よりも価格が上昇していることもある。
だが、たいていの場合は年数が経つほど価格は下がるため、新築では考えられないような値段で購入することも可能になる。また、固定資産税の中でも建物にかかる税金は建物が古くなればなるほど安くなるため、新築マンションを購入するよりも少なくて済むという事実もある。
中古マンションをリフォームする際に、気をつけるポイント
よい物件を手頃な値段で購入して、好みに合わせてリフォームする「中古マンションリフォーム」。どのようなことに気をつけていけばよいのだろうか。
見た目にとらわれない
壁紙をすべて張り直し、畳もすべて入れ替えて、フローリングも敷き直したら、見た目は新築マンションのようになるかもしれない。だが、機能は変わっていないのだから、やはり不具合は生じるものだ。
見た目を変えることばかりにお金をつぎ込んで、機能や設備面をおろそかにすることがないように気をつけたい。
特殊な構造のマンションには注意
部屋と部屋の間に段差があったり、浴室がユニットタイプではなく作りつけてあるなど、特殊な構造のマンションはリフォームにお金がかかると覚えておこう。
例えば、部屋と部屋の間の段差を解消して、子どもにも年配の方にも暮らしやすいマンションにしようとする場合、マンションの構造自体を変えなくてはならないので1,000万単位の費用が加算されることも珍しくない。こうなると新築物件を購入した方が安上がりになることもあり、中古マンションリフォームのメリットがなくなってしまう。
また、水回りは劣化しやすいため、最低限、浴室やトイレくらいはリフォームしたいと思う人は多いだろう。現在、一般的なマンションではユニットバスを導入しているので、決まったサイズのものをはめ込むだけでリフォームが完成し、費用も200万円以下で済むのが相場であるが、作りつけの浴槽を利用していたり、浴室が特殊なサイズであったりするとこの方式を利用できないので、思った以上に費用がかかってしまうのだ。
マンションを購入する前にリフォーム業者などに見てもらい、リフォームしやすい物件でかどうかを判断することをお勧めしたい。
マンションの規則に反するものはダメ！
マンションによっては、分譲であっても手を加えてはいけない部分が決められていることがある。例えば、ベランダは居住者が専用で使用するとしても「共用部分」として考えられ、ウッドパネルを敷いたり、物置を置くことなどを禁じている場合もある。
室内部分であっても、フローリングの材質や防音基準など細かく決められていることもある。マンションの規則をよく読み、違反にあたるリフォームは行わないように気をつけよう。長く住むということを考えれば、トラブルは未然に回避するに越したことはない。
電気やガスもチェック
安全面を考慮してIHクッキングヒーターを導入したくても、マンションの場合上限のアンペア数やワット数が低い場合が多い。ここも確認してから検討しよう。IHクッキングヒーターは使用する電気量が高いため、キッチンやダイニングで同時に他の電気製品を使えなくなるという事態が生じるのは避けたい。
また、ガスファンヒーターをリビングや個室の暖房として利用している人も多いだろうが、ガスの取り込み口がない物件であれば当然ガスファンヒーターを利用できないので、それに代わる暖房装置が必要になる。どのような暖房器具が使えるのかもチェックしてから購入するようにしよう。
ライフラインの設備もチェック
ガスや電気、水道がなければ、快適な生活を送ることはまず不可能だ。このガスや電気、水道の設備もある程度寿命があるので注意しておきたい。ガスや電気の設備、つまりガス給湯器やガスコンロ、ガスレンジやエアコンなどは、10～15年の寿命といわれている。
特にガス給湯器などは普段間近で確認することがあまりないので忘れがちになり、突然使えなくなった時のダメージも大きい。水道管も12年を過ぎたあたりから取り替えの必要性が生じてくる。
これらのライフラインをリフォームする必要があるのかも、しっかりチェックしよう。
リフォームをする際には、見た目よりも機能や設備を重点的に行うと、あとで思い悩むことが少ない仕上がりになるということだ。大事なポイントをしっかりチェックして、住み心地の良いマンションづくりを目指していただければと思う。
