決まったあとで問題が起こらないためにも、複数の業者に見積もりを依頼すること(相見積)は、賢いリフォームの方法といえよう。この相見積をよりよく行うためには、どのようなことに気をつければよいのだろうか。
見積書を読み解く
たくさんの数字と項目が並ぶ見積書。これだけで内容を詳しく見る前に拒絶反応を示してしまう人も少なくないだろう。だが、損をしないリフォームを行うためにも、ここはひとつ腰を据えて、じっくり読み解いてもらいたい。
いくつかのポイントに絞って読み解いていくと、効率よく見積書を比較することができるようになる。
ポイント1 :総額に惑わされない
とりあえず「総額が安ければ安いほどよい」と思ってしまいがちだが、総額が高い業者は、そのぶん良い機材を使っていたり、保証内容が充実していたり、追加費用も含まれていることもあるものだ。
総額に惑わされず、保証内容と追加費用がどの程度必要になるのかなどを確認しよう。
ポイント2 :設備価格に惑わされない
数字がたくさん並んでいると、どこから確認をしていいかわからず、とりあえず気になる設備(便器やシステムキッチン)などの価格で判断してしまうことがある。同じ設備を使っていても価格が異なるのは、その設備に工費などが含まれているかどうかによるためだ。設備と工費を分けているのか、含めた額を記しているのかを業者に把握した上で比較したい。
見積書を取る際に、気をつける点とは?
では、リフォームをお願いしたい業者に見積もりを依頼する場合、私たちはどのようなことに気をつけることができるだろうか。
・多くの業者からとりすぎない
インターネットなどで検索して気になった業者すべてに見積もりを依頼するとしたら、比較するだけで時間も労力も膨大なものになってしまう。多くても3社程度に絞って、見積もりの依頼をするようにしよう。
・他社の見積もりを見せない
さらなる値引きを受けたいがために、安い業者の見積もりを高い業者に見せることは得策とは言えない。高い業者は機材が異なったり、保証が充実しているなど何らかのメリットがある場合が多い。
そこに価格だけを比較して安い業者のものを見せてしまえば、価格を下げるために機材のランクや保証のランクを落とされたりする可能性があるためだ。価格には出てこない作業の丁寧さや誠意なども大事なポイントである。価格だけで決めてしまうことは避けよう。
・見積もりの条件を変えない
見積もりを取るまでの面談、もしくはネットで依頼する際に、業者によってリフォームしたい内容などを変えてしまうと、見積もりができ上がったとしても比較することは困難になる。
見積もりを取る前に、どのようなリフォームを行いたいのかある程度決めておくことが大事だ。使いたい設備なども最初から決めておくと、より比較がしやすくなる。
どんな業者に見積もりを依頼すべきか?
それでは、どのような業者に見積もりを依頼すれば、リフォームを成功に導くことができるのだろうか。自分に適した業者を見分けるいくつかのポイントを挙げてみよう。
・その他が多すぎる見積もりの業者
見積書に「その他」「経費」「手数料」などの、具体的に何を指しているのか分かりにくい項目が多い場合は、一つ一つについて尋ねてみる必要がある。
比較しやすい設備の値段を安く見積書に載せるために、使途不明の項目を設けていることもあるためだ。明朗できちんと説明できる見積書を提示してくれる業者を選ぼう。
・大まかすぎる見積書の業者
反対に、あまりにざっくりした見積書を持ってくる業者や、値下げの要求にすぐに応じる業者にも不安が残る。配管や配線などの番号などがないということは、どのようなものを使うのかが不明であるということかもしれない。しっかりとした見積書を作成する業者の方が安心なのはおわかりだろう。
・どんな疑問にもすぐに対応してくれる業者
業者にとっては日常の業務でも、依頼主にとっては一生に何度もあるわけではない、リフォーム工事。不安や疑問などをぶつけた時に、どんな内容でも誠実に丁寧に答えてくれる業者を選ぶのが一番だ。
工事完了後に不具合が起こっても、きちんと話し合える業者なら、安心して聞くことができるからだ。
まとまった金額をかけて行うリフォームだからこそ、あとで後悔しないよう業者をしっかりと選び、見積書の明細もきちんと読むようにしよう。見積書依頼やリフォーム内容の相談は無料で業者に頼むことができる。よい良いリフォームのためにしっかりと情報収集は行なおう。