日本の経済や社会への先行き不安、相続税対策、物価水準が異なることによる生活水準の改善、純粋な欲求等の理由で、日本を出て海外で生活をしたいとお考えの方も多いのではないでしょうか。
今回は、特に退職後の生活を海外で送ることに関心のある方に向けて、オセアニア・欧州・アジア・北米・中南米ごとにそれぞれの地域で移住先として人気の高い国の概要や、移住の手続き(査証や永住権、不動産の購入になど)についての比較を簡潔にまとめました。
◯北米
文化、経済、自然、教育と、様々な要素で日本人を惹き付ける要素が多く、多くの日本人が憧れる地域です。
カナダとアメリカの
2
カ国しかありませんが、ともに国土が広く、地域毎に風土の違いが大きいため、移住を考える場合は移住先の地域の土地柄と自分達との相性をよく考える事は重要だと言えそうです。
先進国でありながら、比較的物価が安い事も魅力です。
【カナダ】
自然に親しむ事ができ、移民国のため移住制度も充実しています。
①概要
人口:
3411
万人
面積:
998
万
k
㎡
首都:オタワ
宗教:キリスト教(カトリック)
言語:英語、フランス語
・バンクーバーは、世界で最も暮らしやすい街の一つと言われている。
・自然に親しめるお国柄が、何よりも魅力。
②観光査証、または長期滞在
・査証免除で 6 ヶ月間の滞在が許可される。移民局で手続きすれば 1 回 6 ヶ月、 2 回まで延長でき、計 1 年半まで滞在できる。
・長期滞在を希望する場合は、希望の滞在期間以上の有効期間がある出航用航空券の所持が必要。
③永住権やリタイアメント査証など
・移民国家であるため、数多くの永住権制度がある。
・カナダの特徴は国の移住制度に加え、州が実施する移住制度も色々ある事。
④不動産の取得
・日本と同様に土地と住宅の自由な売買が認められている。
⑤生活・治安・その他
・生活費は日本と同水準か、少し安い程度。
・治安は比較的良いが、観光客が多いことから観光客の窃盗被害等は多い。
【アメリカ】
米国文化に慣れ親しんでいる日本人にとって、言わずと知れた米国です。毎年 300 人が抽選で永住権を獲得しています。
①概要
人口:
3
億
0875
万人
面積:
962
万
k
㎡
首都:ワシントン
D.C.
宗教:キリスト教(プロテスタント)
言語:英語
経済成長率:
2.9
%
・ダントツの人気は米国本土よりもハワイ。
・ハワイはハワイ州となる為に、米国の入国滞在規定が適用される。
②観光査証、または長期滞在
・査証免除では 90 日間の滞在が許可されるが、 9.11 テロ以降入国管理が厳しくなっている。
・滞在期間を満了すると滞在延長手続きが認められない為に出国することになるが、期間をおかない再入国は入国審査官の判断に委ねられる。
・日本人の場合は比較的融通が効くようだが、必ずしも再入国出来るとは限らない。
③永住権やリタイアメント査証など
・誰でも応募出来る「抽選永住権」は毎年実施され、毎年 300 人前後の日本人が永住権を手にしている。
④不動産の取得
・日本と同様に土地と住宅の自由な売買が認められている。
・人気のハワイは島と言う環境から、長期借地住宅取引のほうが一般的。
⑤生活・治安・その他
・物価は日本とあまり変わらない。最も物価が高いのがハワイ、次いでニューヨーク。都会と地方では物価の開きもある。
・地域によって、治安状況は大きく異なる。銃社会である事を念頭に置いておき、生活習慣の違いには気を配りたい。