ソニー <6758> の4月 30日の決算発表によると、売上高が前期比5.8%増の8兆2158億円、営業利益が2.6倍の685億円と、ほぼ先週22日の修正発表通りとなった。 昨年2月に発売した家庭用ゲーム機「プレイステーション4(PS4)」の販売が好調な上、金融事業や音楽事業で予想を上回る業績となったことが主な要因。
今期はさらに家電などでも業績回復が進むとみて、売上高は3.8%減の7兆9000億円、営業利益は4.7倍の3200億円を予想している。
スマートフォン向け部品への投資を強化へ
業績回復の兆しが見え始める中、スマートフォン等のカメラに使用されるCMOSセンサーを製造する半導体工場に約450億円の投資を行うことを決定している。ソニー製のCMOSセンサーは世界で出荷されるスマートフォンの4割に搭載され、世界トップシェアを誇る。今後もCMOSセンサーのような部品事業を成長事業と捉え、現在1兆円近い売り上げを、3年後には1.5倍に拡大させる計画だ。
夏には自社スマートフォンのXperiaの新作となる「Xperia Z4」の発売を控え、さらに、スマートフォンの世界トップシェアのAppleのiPhoneにもソニーのCMOSセンサーが使用されているため、売り上げアップの期待は高まる。
ソニー復活への道は続くのか
ソニーの株価は3,000円を超え、4,000円をうかがう勢いだ。2012年には772円まで下落した株価は、足下では5倍近くまで上昇している。
これからもソニーは復活への道を歩むのだろうか。当期損失の予想が1,700億円から、1,260億円へと改善したとはいってもまだ赤字には違いない。しかし業績回復への道をしっかりとたどっていることは、今年に入って2度、業績を上方修正したことからも明らかだ。
ソニーといえば日本を代表する世界のトップメーカーのひとつ。これからも業績を改善していくためには、安定した収益を確保できる金融事業で着実に利益を確保しつつ、本来の事業である「ものづくり」で復活を模索していくことになるだろう。
ソニー創業時の設立趣意書に、「真面目なる技術者の技能を最高度に発揮せしむべき自由闊達にして愉快なる理想工場の建設」とあるように、再び最高の技能によってかつてウォークマンで一世を風靡したようなヒット作の登場によって、世界に名だたるソニーとしての復活が期待されるところだ。
(ZUU online 編集部)
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