■設備投資額はジャパンディスプレイに軍配

一つ目は両社の投資計画だ。液晶パネル事業は設備投資がコストと品質に大きく影響するため、投資額がより大きければ、より有利になりやすい。シャープは、すでに述べたように、今後3年間で液晶に約1400億円の投資を行うが、設備増強だけでなく、工場の整理などリストラ費用も含まれるようだ。

一方、ジャパンディスプレイは、今後5年間で約3000億円の投資を計画しており、ほぼすべてが設備増強に充てられる。スマートフォン向けの液晶パネルの生産を、台数ベースで2倍に当たる、約5億台に引き上げる見通しだという。

単純に比較すれば、より多くの金額を直接的な投資に回すジャパンディスプレイに分がありそうだ。シャープが顧客に魅力的な数量、納期、価格などを提示しても、ジャパンディスプレイも同等かそれ以上の対応ができると見ていいだろう。