■カーエレにもネットワークを持つジャパンディスプレイは強敵

新規分野の面はどうだろうか?最近の注目分野では、カーエレクトロニクスとしての中小型液晶が、液晶パネルメーカーにとって有望な市場になるとみられているものの、ここでもジャパンディスプレイに分がありそうだ。つまり、シャープにとって事業環境が厳しいことに変わりはなさそうだ。

その理由の一つは経営陣の人事だ。このほど明らかになったところでは、ジャパンディスプレイの会長兼CEOに、三洋電機で副社長を務めた本間充氏が就任したことから、カーエレクトロニクス分野ではさらにシャープの勢力が押し込まれる可能性が高まったのだ。

というのも、本間氏は三洋電機時代にリチウムイオン電池を担当していた経歴を持ち、これが自動車メーカーに営業をかける上で大きなアドバンテージになりそうだからだ。リチウムイオン電池はいまや、自動車を語る上で欠かすことのできない重要な部品で、本間氏は自動車メーカー各社に、広い人脈を持っている可能性が高い。自動車の製造には高度なすり合わせが必要で、開発現場に食い込むことが重要になる。自動車業界にも幅をきかせられる本間氏がトップに就いたことで、カーエレクトロニクスの部材として液晶パネルを展開する際にも、ジャパンディスプレイのほうが、シャープよりも有利ではないだろうか。

こうしてみれば、シャープの再建は液晶事業にかかってくるが、現状では、その道は非常に険しい。シャープは5月に新しい中期経営計画が発表する予定だが、この状況をどのように打開していくのか注目したい。(ZUU online 編集部)

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