新たな視点を提供する役回りも

ブレストにおけるファシリテーションが高度なチームワークマネジメントである以上、アイデア出しに行き詰まった状況を放置しておくのは、時間管理の上でも無駄なものとなる。したがって、ファシリテーターは、常に視点を変える投げかけをチームメンバーにできるように、あらかじめ質問を用意しておくことも重要となる。たとえば、

もしこの四角い商品が丸だったら? もし取引先だったら?

といった仮定の問いを用意しておくことだ。

この種類の問いは、意外に効果的にブレストを回す手法となる。このような効果のあると思われる手立てを事前に用意して臨むことが重要だ。


重要な時間管理と副次的な効用

こうしたブレストのタイムマネジメントを適正に行うためには、明確な目標を示すことも有効といわれる。たとえば20分間に50個のアイデアを出すというように時間と目標を提示したマネジメントも効率的で効果を出しやすい。

別の言い方をすれば、漫然とブレストの時間を参加者に消費させない工夫を常に心がけることが重要となる。

ファシリテーション・ブレストを行うことにより一定の成果を求めるのは当然であるが、他方で、結果としてアイデアが出ないことがあるということも事前に承知しておくべきだ。つまり、アイデア思考法を大幅に加速するファシリテーション・ブレストといえども、成功を保証してくれるわけではないのだ。

必ずしも成功しないとはいえ、ブレストでうまくアイデアが出ないことを恐れる必要はない。具体的には、ブレストのプロセスでコミュニケーションが行わることで組織内のコミュニケーションを促せるのだ。こうした、組織の風通しがよくなることや関係が強くなるということなどという視点で考えれば有意義である。ブレストだけで終わらせない組織を構築していく、努力が重要になるのだ。こうして見てみると、ブレストがもたらす効能は表面的な成果よりだけでなく別のところにも存在するとわかるだろう。(ZUU online 編集部)

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