自らが出した創業資金から15億円という資金調達へ

2012年5月に創業し、そのときのメンバーが6人いたのですが、最初は自分たちで出しました。その年の12月にマネックスさんから、翌年の3月に個人投資家等から1億円出資してもらいました。

質問者:その後5億円、15億円といった大きな資金調達をされますが、やはり最初の資金調達が一番大変でしたか?

そうですね、資金調達の経験もなく何もわからなかったですからね。経験だけでなく、サービスもなく人材もいないわけで、磯崎さんの本(「起業のファイナンス」磯崎哲也著、2010年に発売されベンチャー関係者のバイブルとなった)を読んだり先輩の起業家に相談したりして頑張っていました。このように何もない中で投資家の方に信じていただくために、創業の想いやこれまでのビジネス経験を必死に伝えました。最終的には、やはり想いが非常に大切だと思いました。

マネックスさんから投資いただいた後、個人投資家の方を中心に投資いただきました。すでにマネーフォワードのサービスはリリースしていたタイミングで、昔から僕のことをよく知っている方たちが応援してくれて10人ほどの方が投資してくれました。

質問者:次はジャフコさんから5億円の資金調達に成功されたんですよね。

はい、2013年10月に実施し、初めてのベンチャーキャピタル(VC)からの出資でした。当時はサービスも比較的順調に伸びており、資金調達も何度か実施して事業計画の書き方もわかってきていました。さらに人材も集まってきていましたので、いけるという感じはしていました。起業コンテストなどで優勝して実績ができたり、起業家仲間も増えてきてVCや担当者の情報なども収集できたりしましたから。でも5億円という大きな金額なので、実際に出資していただいた後に銀行の通帳を見るとドキドキしました(笑)。責任重大だな、増やさないとな、しっかり恩を返さないとな、と感じたことをよく覚えています。その後に同じラウンドですが、TBSさんと三菱UFJキャピタルさんからも出資いただきました。

質問者:約1年後に今度は15億円調達しました。すごいですね。

2014年12月に調達しました。この時は会社のステージも上がりサービスも伸びていたので、本業であるビジネスのシナジーがある事業会社に出資していただきたいと考えておりました。

結果として、ジャフコさんと、事業会社ではクレディセゾンさん、GMOさん、電通さん、ソースネクストさん、三井住友海上さんから出資いただけました。ソースネクストさんは量販店、中でもヨドバシカメラさんでの販売に多大な協力をいただいておりますし、クレディセゾンさんとは以前から業務提携をしており引き続き連携を強めております。

GMOさんにはB2Bのマーケティングで助けていただいておりますし、電通さんは広告モデルの点でお世話になっています。このようにシナジーがある各業界のリーディングカンパニーと一緒に進めさせてもらうという戦略で資金を集めました。

今回も前回の5億円の時も資金的な危機はなく余裕はあったのですが、今後の成長、拡大のために調達いたしました。僕らの目標はB2BでもB2Cでも日本でナンバー1になって海外に進出することです。そのためにサービス基盤、顧客基盤、社内の人員などをしっかりと固めるため先行投資を行っていきます。