(この記事は2014年3月12日に掲載されたものです。提供: 資金調達プロ )
辻社長の生い立ち
大阪の普通のサラリーマンの家で生まれました。ただ祖父が会社を経営しておりまして、何となくですが子どものころから経営者の厳しさというのを感じておりました。
中学高校と普通に進学し、大学でバイオテクノロジーを学びたかったので農学部に入学しました。そして在学中に先輩に誘われて大学進学塾を起業することになり、ビジネスの面白さを知りました。研究者としての道も考えたのですが研究者としての出来が悪かったこともあり(笑)、文系就職を選びソニーに就職しました。
ソニーではネットビジネスをやりたかったのですが、理系だということで経理部に配属になりました。2,3年ほど経理の仕事をしたのですが、やはり事業をやってみたいという気持ちは変わらなかったので、当時募集していたマネックス証券への出向を希望しました。マネックス証券ではCEO室という部署で松本社長の下で働きました。出向当時社員は40人で、その後転籍して1000人規模になるまで8年ほどマネックス証券で働いたのですが、小さな組織が成長していく様子を経営者の下で間近に見られたことは非常にいい経験でしたね。
起業したきっかけ
当初は起業するつもりはなかったんです。海外留学もさせてもらいましたし、帰国後もマーケティングの責任者で仕事もやりがいがあり面白かったですし、給料も十分いただいていましたし、仲間にも恵まれていましたから。社内で新規事業をやりたかったのですが、当時は株式市場も右肩下がりで景気も良くなく、会社としてもやるべきタイミングではありませんでした。しかしどうしてもこの事業がやりたかったので、起業するという形になりました。
事業を考えたきっかけは、マネックス証券にいたとき損をしているユーザーさんが常にいらっしゃったということです。インターネットによって売買手数料が大幅に安くなり、商品も増え、情報も入手しやすくなりました。
にもかかわらず、相場なので致し方ない面も多々ありますが、損しているユーザーが多いわけです。何がよくないのかと考えたところ、ユーザーの立場に立った知識や知恵を入手できないことだと思いました。通常はお金のことで相談しようと思ったら金融機関に行きますよね。でも金融機関のほうは商品を売りたいわけなので、一部どうしても利益相反が起こってしまう。これではユーザーの立場の情報は入らないですよね。ちょうどその頃に食べログやクックパッドなどCGM(Consumer Generated Media:インターネットなどを活用して消費者が内容を生成していくメディア)の人気が出ていましたので、お金でも同様のサービスができるのではないかと考えました。
日本ではお金に関する教育は不十分で情報にも疎いのでこのようなサービスはチャンスがあるし、さらにお金の不安は誰でもあるものなのでこういった課題を解決できるサービスは社会のためにもなると。結婚できない、進学できないといったように、お金がないことで人生の可能性が狭められるので、お金に関する知識は非常に大事です。今の若い人はお金の知識と英語とプログラミングを身につけておけば食いっぱぐれはしないと思います。