自社株買いや増配も
いすゞ自動車 <7202> は100億円を上限に自社株買いを実施すると2月に発表。2014年5月には優先株を除けば同社初となる自社株買いをすでに実施しており、今回で2回目となる。会社の規模からすると100億円は大金ではないが、自社株買いをすることで現在の自社の株価が割安だというイメージを市場に示すことが狙いだ。
また、産業用ロボット大手のファナック <6954> も2015年3月期の決算発表時に株主還元策を公表する予定だ。具体策は不明だが、自社株買いや配当の増額といった対策を公表するとみられている。手元資金が1兆円に迫るなど、株主還元次第でインパクトは大きくなりそうだ。
業績が悪化している状況下では手元資金を多く抱えるのは将来の不確実性への対処方法としてはベストな方法だった。しかし、業績が好調になっている、又は好調が見込まれる中では手元資金を寝かせているだけでは利益に結びつかない。また、金融機関へ預けていても利息はたいしたことがないのも事実だ。
金融機関の利息の利回りと比較して、企業は手元資金の活用を検討している。預金利息よりも、同業他社を買収し経営効率化を図ることで高い利益率が見込めるのであれば合理的な選択だろう。また、自社株が市場から評価されておらず将来もっと価値が出ると考えれば経営状況が不明な他社をM&Aにするよりも割安な自社株買いをしておくのも手元資金の有効な活用方法だ。
また、これら多くの方法を採ることで結果として、株式資本利益率(ROE)は向上するため、株主から評価も得られるだろう。
業績を左右する企業の手元資金の使われ方に今後も注目だ。(ZUU online 編集部)
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