豊富な企業の手元資金をどうやって活用する?生かすも殺すも経営者の腕次第1-594x330

(写真=Thinkstock/Getty Images)

上場企業を中心に今期は好調な業績が見込まれる。利益は積み上がり、手元資金も潤沢に増加している。業績が好調な企業は手元資金を活用し、次の一手を打ち出している。


増加するM&A

近鉄エクスプレス <9375> は、北米を中心に展開しているシンガポールの物流会社APLロジスティクスの親会社である海運会社ネプチューン・オリエント・ラインズ から全株式を1,400億円で取得する。これまでは中国の内陸部やインドを中心に海外展開を進めてきており、投資額はいずれも数十億円規模だった。しかし今回は、1,400億円と一気に攻めに出た。手元資金は500億円程度のため、不足分は銀行借り入れ等で調達するとみられる。

キヤノン <7751> も8,400億円にのぼる手元資金を活用し、スウェーデンの企業でネットワークカメラ世界最大手のアクシスコミュニケーションズ を3,300億円で買収すると2015年2月に発表した。遠隔地から監視できるネットワークカメラの市場規模は年平均20%と大きく成長し続けているが、キヤノンの国内でのシェアは第5位。2014年に買収済みのネットワークビデオ管理ソフトウェア世界最大手のマイルストーンシステムズと併せて、ネットワーク監視カメラ事業の拡大に積極的だ。

生活・情報分野においてM&Aを計画しているのは大阪ガス <9532> だ。 2016年からの電力小売りの全面自由化を控え、中長期的に人口減少により需要減少が予想されるエネルギー市場を見越し、2015年度は2,020億円の投資予算を計画している。今後、新たな収益源になると予想される。


増加する設備投資

経営統合から2年半が経過し、業績も急回復している新日鉄住金 <5401> 。国内の製造設備強化のため年間3,500億円の投資を行なってきたが、アジアでの鉄鋼市場における地位を強化するため、2015年度から設備投資予算を1,000億円上積みすると発表。さらに従業員も年間700人の採用から、1,300人へと倍近く増加させる。

川崎汽船 <9107> は、自社の強みである大型船のばら積み船などに、これまでより8割増の3,300億円分の設備投資を積極的に行うことを発表。世界的な資源需要の増加により、今後ばら積み船の運賃が回復するとみて重点的に投資していくとしている。