運輸、通信、不動産などでも大型M&Aの動き

倉庫運営大手のWHAコーポレーション(WHA)は工業団地大手のヘマラート・デベロップメント(HEMARJ)の株式22.5%を440億バーツで取得する計画を発表。かつては『鉄鋼王』と呼ばれたサワスディ・ホルングルアン氏が創り上げたヘマラートはタイのラヨーン県、チョンブリ県などで8つの工業団地を展開中である。

通信業界でも動きは活発化しており、中国のチャイナモバイル中国通信の子会社チャイナ・モバイル・インターナショナルはタイの通信大手トゥルー・コーポレーション(TRUE)の株式18%を286億バーツで購入。トゥルー・コーポレーションの親会社は食品財閥大手のチャロン・ポカパーン・グループである。

不動産大手プロパティー・パーフェクト(PF)社はタイ不動産業界においてトップ5を目指すべく、39億バーツを投じてタイ・プロパティ、グランド・アセット・マネジメントの2社を買収。総資産が307億バーツから452億バーツへ、売上規模は160億バーツから222億バーツへ伸びる見通しだ。


日本企業はまだまだ手探り段階

ASEAN経済統合によって「市場が伸びる」、「事業機会が増える」との予測があるなかで、日本企業はまだまだ調査段階、フィールドスタディ段階で手探りのケースも多い。一方、ASEAN各国の動きに合わせてタイ国内でも積極的に近隣諸国へ投資する計画を発表しているタイの財閥、大手企業も増え始めている。

日本でも知名度が高まってくるタイやASEANの企業に注目すべき時代に入ってきている。


ASEAN ジャパン コンサルティング株式会社 http://www.asean-j.net/

代表取締役 阿部俊之
ASEAN諸国(シンガポール、タイ、マレーシア、フィリピン、インドネシア)の上場企業概要レポートを作成し配布しています。

(ZUU online 編集部)

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