訪日外国人旅行者の増加傾向は勢いを増し、2015年3月は前年同月比45.3%増の152万6,000人となり、単月で150万人の大台を初めて突破した。今や日本国内では街中のいたるところに、外国人観光客の姿を目にするようになってきたが、何よりも驚かされるのは「爆買い」と称されるその消費行動だ。
百貨店や家電量販店、ドラッグストアなどでは、中国人旅行者を中心に、両手に抱えきれない程の商品を購入して闊歩する姿がみられる。彼らを爆買いに走らせるものは何なのか。その背景にあったものは「山分け買い」というキーワードだった。
中国人旅行客の消費額がダントツ
電通 <4324> が東アジア(北京・上海・香港・台湾・韓国)の5エリアを対象に調査した結果、買い物平均支出額は2014年春の8万8,767円から2015年初旬は17万4円と1年でほぼ倍増している。
また、観光庁の統計によると、2015年第1四半期の1人当たりの旅行支出は中国が30万434円で、スキー客が多く訪日したオーストラリア(24万7,643円)、アメリカ(16万9,499円)を大きく上回る。さらに、同じ東アジアの韓国(7万6,512円)と比較すると、その支出は5倍にも上る。訪日客が増えているタイや香港は17万円台で前年比20%近い増加となった。
カテゴリ別、爆買いランキング
購入商品のカテゴリー別人気ランキングは「食料品・飲料」「ヘルスケア・化粧品」「衣服」「装飾品・宝飾品」「家電製品」の順となっている。商品の一例を紹介すると、抹茶味の菓子類や蒸気アイマスク、魔法瓶、上級モデル炊飯器、温水洗浄便座などだ。