デジタル・データサプライチェーンの実現

ここ数年、ビッグデータの話もIT業界では話題に上っている。これまで分析しようにも時間とカネがかかりすぎて解析不能だったビッグデータが、分散処理を行うことにより、高速かつ低コストで分析可能になった。より正確に顧客の嗜好や商品に対する意識、評価といったものを的確に分析できるようになっているのだ。

こうした顧客データを含む膨大なマーケットデータは、商品開発・販売、マーケティング、セールス、アフターマーケットにおけるカスタマーリテンションをはじめとするCRM(Customer Relationship Management)の領域と、ビジネスプロセスのすべての領域で共通して活用していくことができるようになる。つまりマスターデータを作成すれば同じ企業の異なる部門の人間が自在に分析・利用できるような時代が訪れようとしている。

現状では開発、マーケティング、CRMといった世界では個別のデータが管理運用されている会社がほとんどだが、個別管理の時代は既に時代遅れになろうとしている。これからはデジタルデータサプライチェーンを企画・運営することが会社としての知的開発レベルとその開発時間を大きく変える重要な要素になってくるのだ。

インターネットが普及してからこれまでの20年間、デジタルビジネスのための新しい企業が生まれ、既存のビジネスに制約されないビジネスモデルを築くことでマーケットをリードしてきた。この先の10年間は、リアルビジネスで成功を収めてきた大企業が一気にデジタル化を図ることで、躍進するデジタルシフトフォーメーションの時代が押し寄せようとしているのだ。

したがって、デジタルビジネスは新進気鋭のネット企業と歴史のある大企業との間で壮絶な戦いが繰り広げられようとしている。すべての道はデジタルに通じようとしているのである。経営者にとって、デジタルは分からないでは済まされない時代が既に訪れているのである。

(ZUU online 編集部)

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