デジタルビジネス,経営者,デジタルマーケット,クラウド,データサプライチェーン

デジタルビジネスという言葉が様々なメディアや書籍で語られるようになっている。2000年から2014年はリアルビジネスと別の形で展開したデジタル専門のプレーヤーが登場し、市場が形成されてきたデジタルビジネス。いよいよリアルマーケットとデジタルマーケットの境界が本格的に取り除かれ、シームレスなビジネスが到来しそうだ。

それに伴って、リアルビジネスのプレーヤーも本格的にデジタルビジネスに乗り出す時代を迎えようとしている。このような状況で、Cクラスの人間、とりわけ経営者にとって、今後不可欠となるデジタル戦略の中でもコアな役割を果たすものが3つあると考えられる。


Internet of Things (モノのインターネット)

最近よく目にするのがInternet of Things。 モノのインターネットと呼ばれるものである。これまで単独の商品として流通し消費者に利用されていたものが、ネットに接続できるようになることで、これまでの商品価値を大幅に上回るサービスとバリューが付加される。自動車のネット接続、電力のスマートグリッドによるネット利用などが具体的な事例として挙げられる。

また、こうしたネット接続化が本格的なユビキタス社会とクラウドサービス社会の実現を目指している。つまりデジタル化はすべての産業、サービスで例外なく現実のものになろうとしており、自社サービスや商品がネット接続によってどのようなバリューが生まれ、利益機会ができることになるか考えるべき時代になっているということだ。


クラウドリソースの活用による斬新なボーダレスエンタープライズの実現

クラウドコンピューティングのクラウド(Cloud)は雲を指すが、もうひとつ群集を意味するCrowdによるクラウドソーシングを、ネットに接続して利用するビジネスもデジタル化戦略の中ではきわめて重要になってくる。これまでの新規事業はすべて正社員を雇用し、ひとつの部門なりエンティティを立ち上げてスタートアップしていたが、クラウドリソースを使えば、ネットを通じて世界中のフリーランスワーカーを使ってビジネスを構築することも可能。

その上、自社にはなかった高い能力を兼ね備えた人材を集めることが可能になる。実際にクラウドソーシングについては、米国のグーグルやアップルなどの先進的企業はほとんど利用し始めている。つまりリジッドな組織から、より自在性を持ちプロジェクト思考なボーダレスエンタープライズを短期間に構築し、市場に対してクイックプラグイン、プラグアウト自在な組織を立ち上げることもデジタル社会では可能になってくるというわけだ。こうした組織構築に関する柔軟な発想も、デジタル戦略の構築では決して忘れてはならない領域といえる。