この記事は2025年6月3日(火)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「小林芳彦氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。


FXトレード戦略
(画像=takasu/stock.adobe.com)

2025年6月3日(火)の午前11時時点に現役トレーダーの小林芳彦さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。

小林芳彦
1979年慶応義塾大学商学部卒、同4月株式会社協和銀行入行。 外国為替研修生・営業店外国為替業務経験後、1987年から本店資金為替部調査役。 インターバンク(フォワード)ディーラー・カスタマーデスクヘッドなどを歴任後、1989年10月よりクレディスイス銀行(資金為替部長)、1997年クレディスイス・ファーストボストン銀行(シニアセールス)、1998年バイエリッシェ・ヒポ・フェラインス銀行(為替資金部長)、2001年バンク・オブ・アメリカ(為替資金部営業部長)で数十社の法人顧客を担当。

現在の為替相場の傾向や相場観

今週は、もみあいつつドル売り継続のイメージ。 その理由として、まず1つ目に米中貿易摩擦の激化懸念がある。トランプ米大統領は中国が約束を守らないと言っており、そのことから今週中に中国の習近平国家主席と電話会談をする運びとなっているようだ。よって多少は落ち着きどころを探ることになるかと思っている。

次に、鉄鋼やアルミの関税が50%に引き上げられていることに関して欧州からかなり強い不満が出ていること。よって、対欧州でも貿易摩擦激化懸念がある。

また、本日3日(火)の米ドル/円は142.38円付近の安値をつけた後、午前11時頃の段階で143.20円付近まで戻しているが、この動きは植田発言を受けての海外勢の反応のようだ。

植田日銀総裁は「将来の利下げ余地を確保するためだけに利上げを急ぐことはない」と発言したのだが、海外勢は最後の「利上げを急ぐことはない」の部分を切り取って、そこに反応しているようだ。

現在の為替相場の戦略やスタンス

今週の米ドル/円予想レンジは、141.50~145.50円。基本はドル売り方向で考えている。

直前のFedウォッチも昨日2日(月)の段階で年内2回の利下げ予想となっており、次点が年3回だった。過去から順に見てみよう。

【年内の米利下げ予想回数】
4週間前:3回(次点:4回)
3週間前:3回(次点:4回)
2週間前:2回(次点:3回)
1週間前:2回(次点:1回)
昨日2日(月):2回(次点:3回)

この流れを見ると1週間前から昨日にかけて急激に次点の回数が1回から3回になっている。やはりこれは米指標などの悪い数字が出ているので、その分利下げ予想回数が増えているということだろう。

方向的には米景気鈍化を背景に利下げ回数も多くなると見て下方向。特に夏場から秋にかけて、ドル売りが強まるとイメージしている。

▽米ドル/円の日足チャート

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(画像=羊飼いのFXブログ)

※当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。