日本的経営からの脱却へ…王者電通の組織リノベーション-620x330

国内広告業界の王者である電通が、今年も300人規模の早期退職者を募集する。2013年1月以来、早期退職は7回目の募集であり、急ピッチで新旧の要員交代を図ろうとしている図式が見えてくる。この背景には、イージスの買収完了を機に一夜にしてグローバルカンパニーとなった同社の、急速な経営戦略の変更が大きく影響している。


イージス買収ですでに海外売上構成はグーグル並み

電通の決算関連書類を見ると、国内同業他社とはまったく異なることが一目瞭然だ。UKに本社を構えていた大手広告代理店イージス社をM&Aで取得したことにより、海外からの利益がいきなり全体収益の49%を占めるグローバルカンパニーへとシフトしてしまったからだ。

この海外比率はほぼグーグルに匹敵する。2013年以前まではほぼ売り上げの9割以上、利益ではそのほとんどを国内ビジネスで計上してきた同社のビジネスは、このイージスのM&Aを機に大幅な変化を遂げたのだ。