Squawk Box - Season 20
(写真=Getty Images)

「企業の実態がマーケットや株価に反映されるまでに、随分と時間がかかってしまうことがあるかもしれません」―オマハの賢人と呼ばれる米国の著名な投資家ウォーレン・バフェット氏の言葉である。

最近の株式相場は企業の実態ではなく、企業の「収益予想」に対して反応し、即座に株価に反映される。


業績が上がっても株価があがらない?

増収増益の好業績だから株価が上昇する。そう単純ではないのが、株式投資の難しいところだ。SMC <6273> は5月15日に16年3月期の連結営業利益見通しを発表した。営業利益は前期比4.2%増の1,330億円との内容だったにも関わらず、市場はネガティブに反応し、同社の株価は1.8%安となった。

あおぞら銀行 <8304> も同日に16年3月期の業績予想を公表。連結純利益は前期比1.6%減の430億円との見通しだったが、同社の株価は4.7%高とポジティブに市場は反応した。

NTTデータ <9613> の、2014年度連結決算が5月8日発表され、売上高、営業利益、経常利益、純利益いずれもが前期を上回る増収増益を示したが、株価は、発表前4月の水準よりも下げている。


「予想」を上回るか、下回るか

結局、株価は、業績実績ではなく、業績に関する今後の「予想」によって形成される。先にあげた各社の値動きも、証券会社などアナリストが事前に予想していた数値(コンセンサス予想)を上回ったか下回ったかで推移をしたといえる。

たとえ増収増益の好決算だとしても、それが予想を超えるものでなければ株価は上昇しない。逆に下回る場合、そのサプライズは、即座に株価に反映、株価下落が起きる。特に決算発表の後は、予想と実績の差を織り込むべく大きく値が動くことが多い。

また期中の、企業側の計画の上方修正も同様で、それがそのままストレートに買い材料に繋がるわけではない。下方修正を嫌う企業側の堅い見通しというよりも、あくまでもその内容が、市場予想を上回るかどうかがポイントとなる。場合によっては、失望売りの材料にさえなるのだ。

逆に、実績は悪くとも企業業績の底打ちを感じさせる兆しがあれば、市場予想は変化し、株価は上昇に転じる。


価格が織り込まれていくメカニズム

一歩先、二歩先を見て売買が繰り広げられるのが相場であり、予想の変化が速やかに価格に織り込まれる。

パナソニック <6752> については、純利益の大幅増の発表となった4月28日の決算発表に先立ち、日経新聞が好決算観測を流したことから買いが殺到、株価は上昇に転じ、決算発表時にはすでに織込み済の状態となっていた。

好決算や上方修正の情報をもとに、即座に買いを入れたものの、株価は下落に転じ、結果高値づかみ、ということもよくあり、このあたりが株式投資の難しいところといえる。

ウォーレン・バフェット氏は、「企業の内在的な価値」と「市場価格の差」を利用して利益を得るのが、自分の仕事だと語っている。

数年単位を超えた長期的な「企業の内在的な価値」を見出すことは、バフェット氏ならざる凡人には難しいことだが、少なくとも、市場予想により株価が決まるという「市場価格」決定のメカニズムを知っておくことは、初心者が投資の「罠」にかかり、「カモ」とならないために大切なことだといえそうだ。(ZUU online 編集部)

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