平成27年度の取組み

これまでの活動を踏まえ、今年度は公益財団法人不動産流通推進センターが「安心な中古住宅取引の普及促進事業」として、消費者や宅建業者・関連事業者等に対して周知・啓発を行う事業を実施する協議会を支援し、事業によって得られた知見をもとに「安心な中古住宅取引の普及促進」に係る検討を行うこととして公募した結果、全国13の連携団体が採択されました。

今年度公募した内容とは、宅建業者の事業者団体又は複数の宅建業者と、中古住宅流通に関連する事業者(宅建業者を除く。リフォーム、インスペクション、瑕疵保険等の事業者を含むが、これらに限らない)からなる協議会とし、次の4つの内の何れかに該当する取組が求められています。

①    既に開発されたインスペクションや瑕疵保険等のパッケージサービスなど、ワンストップサービスの消費者への周知・啓発に関する事業
②    既に開発されたインスペクションや瑕疵保険等のパッケージサービスなど、ワンストップサービスの宅建業者や関連事業者への周知・啓発に関する事業
③    インスペクション、瑕疵保険、住宅履歴等の安心な中古住宅取引につながる既存制度の活用促進のための周知・啓発に関する事業
④    インスペクション、瑕疵保険、住宅履歴等の付加価値の付いた物件の流通促進を図るための周知・啓発に関する事業


周知・啓発へ向けた協議会の取組み事例

国土交通省は、平成24年度から同26年度までの3年間において、宅建業者を中心とし中古住宅の取引に際して消費者が必要とするサービスや問題解決の方法について、インスペクション(建物検査)や瑕疵保険、住宅履歴情報、鑑定評価、リフォーム等の関連団体と連携し、ワンストップで提供できる取組みを支援してきました。

そして、平成27年度は、公益財団法人不動産流通推進センター事業として、これまでの取組みによって得られた知見をもとに、いよいよ広く周知・啓発していく段階に来ました。全国13協議会の内、ここでは一つ「良質中古住宅推進協議会」の取組みをご紹介します。この協議会は、平成26年度に公募された不動産事業者を中心にした連携体として採択されました。

この協議会では、平成26年度の「中古不動産取引における情報提供促進モデル事業」に参加して活動した結果、「築年数」「構造」「広さ」では評価(表現)されない情報を「付加価値情報」として購入希望者に対して情報提供することで、「早期売却・高値取引の実現」を達成することができることが明らかとなり、更に早期売却・高値取引に繋がるメリットを正しく売主に説明することで、売主がインスペクションや住宅履歴情報の提供に協力的になることも明らかとなったとしています。

そして、本年度は売主から売却相談があった物件に「付加価値情報」を付けて「早期売却・高値取引」を実現する方法を、宅建業者に「インスペクション・住宅履歴情報等体験講習」をとおして紹介するとともに、体験講習に参加した宅建業者が「付加価値物件」を売却するまでのサポートを行うという取組みです。

具体的には、消費者向けには「売却の窓口」というサイトを運営し、そのサイト上にて付加価値仲介の説明や事例を紹介しています。尚、同協議会ではこの採択事業に基づき、宅建業者に対する周知・啓発として今年度中に、首都圏を中心に複数の都市にて講習会を開催する予定(全国13か所で開催予定)となっています。