スタンダードチャータード銀行も本社移転を検討
HSBCの他にも、英国に本社を構える金融機関では大手のスタンダードチャータード銀行も本社を英国外に移す可能性を示唆している。スタンダードチャータードは、ロンドンに本拠を置き、世界70ヶ国に事業を展開する世界的な金融グループ。
移転先の候補としては、シンガポールが挙げられており、同社は現時点でもアジアの収益割合が大きく、筆頭株主もシンガポールの政府系ファンドであることから、シンガポールへの本社移転にそれほど違和感もないとも言えるだろう。
世界のマネーが「アジアシフト」
57カ国が参加するアジアインフラ投資銀行が近々誕生し、アジア開発銀行も2050年には世界のGDPの約50%をアジアが占めるという予測を出すなど、世界経済の「アジアシフト」が見てとれる。先進国での金融規制は今後も強まる見込みで、バーゼル4等という単語も一部では取り沙汰されている。
世界的に名だたる巨大金融機関がアジアへの「移住」を検討しているという事実は決して軽視するべきではできない。この動きは英国にとどまらず、その他の先進国の金融機関にも波及する可能性があり、今後の各社の動きから目が離せない。(ZUU online 編集部)