(写真=PIXTA)
7月7日、Yahoo! JAPANとソニー不動産が「業務提携・資本提携合意」を発表した。このニュースをどう考えるか、論評したい。
業務・資本提携の内容には、「不動産所有者が主体となって自身のマンションを自由に売り出すことを可能とする新しい不動産売買プラットフォームを共同で開発し、2015年中に公開する」とある。
この事前告知サイトを見ると、「不動産流通革命プロジェクト」と題され、「2015年 Yahoo! JAPANとソニー不動産は、日本の不動産売買に革命を起こします。」という刺激的なコピーが表示されている。
メディア企業と不動産会社がどう組むのか?
言うまでもなく、Yahoo!は日本最大級のインターネット・メディア企業で、一方のソニー不動産は、不動産の売買仲介、賃貸管理などの業務を行う不動産会社だ。昨年8月から営業を開始したソニー不動産は、資本金 8億4千5百万円で銀座に2拠点、渋谷区に1拠点の3拠点を有する。「ソニー」というブランドは知られていても、名だたる大手の財閥系や鉄道系、銀行系がひしめく不動産会社の中では、そう大きな規模ではない。
Yahoo!のような媒体事業者が、個別の不動産会社とこのような業務・資本提携を行うということは、既存の不動産会社の広告主からの反発も少なからずあるだろうが、それも織り込み済みで提携に踏み切ったということだろう。
両者は、「新しい不動産売買プラットフォーム」を共同で開発するとしているが、最大のポイントが、この「不動産売買プラットフォーム」がソニー不動産以外の事業者にも開放され、真のオープンプラットフォームとなりえるかどうかだろう。
同サイトには、「売り出しは都心6区(千代田区、中央区、港区、渋谷区、品川区、江東区)より順次拡大予定」とある。これを読む限り、ソニー不動産が売却対応のエリアと重なっており、当面はソニー不動産のみの対応サービスとなるのかもしれない。
また、「このプラットフォームを通じて自分の家を自分の好きな価格で売り出すことができるようになります。<中略>Webから入力するだけでYahoo!不動産に無料で掲載されます。」とある。サービスの特徴は、Yahoo!という巨大なネットメディアに個人が無料で不動産の売却物件を提示ができるところにある。