投資家の関心が強い「8月優待」銘柄から好業績予想銘柄をご紹介

株主優待は、企業が株主に対し、様々な商品やサービスを提供してくれる制度です。最近はメディアや書籍などでも盛んに触れられており、多くの投資家に馴染み深い制度となりました。うまく活用できれば、値上がり益や配当だけを得るのに比べ、株主ライフをよりリッチなものにしてくれる制度と言えるでしょう。

株主優待の権利が確定する月別にその実施企業数をみると、3月681社、9月361社、2月127社、12月126社、8月92社(2015/7/28現在)と続いています。本決算を3月や2月に締める企業が多く、その中間決算に相当する9月や8月も多くなっています。

このうち、2月・8月は小売セクターの企業が多いのが特徴で、株主優待も生活に密着した魅力ある内容の商品・サービスが多くなっています。今回の「日本株投資戦略」では、8月末に権利確定となる銘柄をご紹介したいと思います。

「8月優待」銘柄で、投資家は主にどんな銘柄に関心を持っているのでしょうか。当社WEBサイトでは、株主優待の権利確定月ごとに実施企業を一覧でき、それを「閲覧回数順」で並び替えることができます。

7/27現在では、吉野家ホールディングス <9861> 、大庄 <9979> 、ビックカメラ <3048> 、システムインテグレーター <3826> 、ワッツ <2735> 、イオン <8267> という順番で上位を形成しています。

知名度が高いことや、優待の内容に魅力があることが上位銘柄の特徴と言えそうです。また、吉野家なら15万円弱、大庄なら16万円弱と、株主優待の権利確定に必要な最低投資金額があまり大きくないことも特徴です。

表1は、「8月優待」銘柄のうち、本業の儲けを示す営業利益で今期増益が予想(会社計画)されているのみならず、第1四半期(2月決算の場合)または第3四半期・累計(8月決算の場合)で営業利益の実績が前年同期比増益になっている銘柄を選び出したものです。

当社WEBサイトの閲覧回数の多い順(7/27現在)に16銘柄を選び出しています。さらに、色付きの銘柄は、

(1)株主優待の権利確定に必要な最低投資金額が20万円未満
(2)予想PERが極端に高くない(予想PER40倍未満としました)
(3)通期の会社予想営業利益を達成できる可能性が大きいとみられること(理由は、各銘柄コメントで説明)

の条件も満たす銘柄を、閲覧回数の多い順に5銘柄「厳選」したものになっています。

単純に株主優待の権利を取りに行くのではなく、しっかりと値上がり益も目指すことで、真にリッチな株主ライフを手に入れてみたいものです。次項では、株主優待投資の注意点や、上記のように5銘柄を選別してみた背景についてご説明したいと思います。

会社公表データ、各社株価データをもとにSBI証券が作成。「今期」は、2月決算企業ならば2016/2期、8月決算企業ならば2015/8期を意味している。「最低売買単位で権利を確定した場合の優待内容」は、各銘柄を100株投資して株主優待の権利を確定した場合の優待のポイントを示したもので、優待内容のすべてを記載した訳ではない。ちなみに、表1の全銘柄は最低売買単位が100株。権利確定付最終日は、ライトオン(権利付最終日が2015/8/17)を除く全銘柄で2015/8/26になっている。