(写真=PIXTA)
7月相場が終わりました。上旬はギリシャ不安や中国株安を背景に、日経平均は一時19,115円(7/9)の安値を付けました。中旬は、これらの問題への不安が後退したことで概ね反発基調となり、7/21には一時20,850円と、6/24の取引時間中に付けた高値20,952円も意識される高値水準まで値を回復しました。
ただ、下旬には米国株が国際的企業の決算悪もあって軟調な展開になるとともに、中国株も再び不安定な動きとなるなど逆風が強まり、日経平均も軟調な動きとなりました。こうした中、いよいよ8月相場がスタートします。梅雨明け以降の猛暑のごとく「サマーラリー」の熱い相場を期待したいところです。
しかし、現実には8月の月替わりから20日頃までは、海外投資家の夏休みが本格化するのみならず、国内でも夏休みを取る市場参加者が増える時期です。東京市場でも市場参加者が減少するとみられ、その前に買いポジションを落としてくる投資家も増えやすくなります。
7/31⇒8/20までの期間は過去10年で上昇4回・下落6回とやや奮いません。さらに、米国や中国の株式市場で不透明感が覆う2015年は「夏枯れ相場」となってしまうような懸念もあります。しかし、仮に株式相場が弱含みに推移した場合、逆に投資家に好都合になるかもしれないセクターがあります。それは、8月末に権利確定を予定している「8月優待」銘柄です。
「8月優待」銘柄はもともと、権利取りの買い需要の多い8月に値が上がりやすくなりますが、まして株式相場が強い年は「高値づかみ」のリスクが高まり、権利落ち後の株価急落の可能性が高まってしまう恐れがあります。8月相場が軟調で「8月優待」銘柄もそのあおりで安く買えるのであれば、チャンスと言えるでしょう。
そこで今回の「日本株投資戦略」では、「8月優待」銘柄について分析してみることにしました。投資家に人気が高いのみならず、好業績が見込まれる銘柄をご紹介したいと思います。そして、最後には、バリュエーションや最低投資金額も勘案し、『特選5銘柄』をご紹介しています。単純に株主優待の権利を取りに行くのではなく、しっかりと値上がり益も目指すことで、真にリッチな株主ライフを手に入れてみたいものです。
会社公表データ、各社株価データをもとにSBI証券が作成。「今期」は、2月決算企業ならば2016/2期、8月決算企業ならば2015/8期を意味している。「最低売買単位で権利を確定した場合の優待内容」は、各銘柄を100株投資して株主優待の権利を確定した場合の優待のポイントを示したもので、優待内容のすべてを記載した訳ではない。ちなみに、表1の全銘柄は最低売買単位が100株。権利確定付最終日は、ライトオン(権利付最終日が2015/8/17)を除く全銘柄で2015/8/26になっている。