決算はファナックショックの懸念を払拭する内容

先月28日にファナック <6954> が中国でのスマートフォン需要減少を受けて通期の業績予想を下方修正しました。まさかの第1四半期決算での下方修正で、中国のスマホ需要拡大の恩恵を受けてきた他の企業にも懸念が広がりました。

村田製作所もそのなかの一つで、ファナックの株価が急落した29日の村田製作所の株価は上昇して始まったものの、その後下落に転じ結局2%を超す下げとなりました。

しかし、大幅な増収増益となったこの第1四半期決算と足元の状況は、ファナックショックでの市場の懸念を払拭する内容だったといえます。

第1四半期の売上高は前年同期比28%増の2802億円で、会社計画を190億円近く上回って着地しました。また、第2四半期(7-9月期)の売上高の会社計画は第1四半期実績比10%増の3100億円ですが、7月の受注も6月比5-10%増で推移し、第2四半期の計画に沿った受注が入ってきたようです。

これはグローバル対応のハイエンドLTE端末の生産拡大に加え、中華圏セットメーカーのLTE端末生産拡大、さらに端末のマルチバンド化の予想以上の進展などが続いているためです。

この第1四半期に直近四半期比(1-3月期比)で大幅増収となった表面波フィルタは今も需給のひっ迫した状態が続いているようです。

金山 敏之
マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト

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