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(写真=PIXTA)


増勢強まるインバウンド消費

旅行収支注(*1)は、東日本大震災の影響を受けて訪日外国人旅行者数が減少した2011年(▲1.3兆円)をボトムに、緩やかな改善が続き2014年には▲441億円まで赤字幅が縮小している(図1)。

図1 旅行収支の推移

東日本大震災直後の日本離れが薄れつつあるなか、東アジア・東南アジア諸国に対する訪日ビザの発給要件の緩和・免除措置の拡大やLCC(格安航空会社)の就航数増加などを背景に訪日外国人旅行者数が増加したことが旅行収支の改善要因となっている。

また、日銀による量的・質的金融緩和をきっかけに加速した円安によって日本向けの旅行が割安となったことも訪日を後押し、訪日外国人旅行者数は直近3年間(2011~14年)で2.2倍となった。

訪日外国人旅行者の旅行支出をみると、直近3年間で2.5倍と訪日外国人旅行者数の伸び(2.2倍)を上回り、2014年には名目GDPの0.4%(2011年:0.2%)に相当する規模に達している(図2)。

図2 訪日外国人旅行者の旅行支出

このように、訪日外国人旅行者数の増加に伴い、一人当たりの旅行支出が経済成長へ与える影響は高まりつつある。