劣後債とは

(写真=Thinkstock/Getty Images)

物価目標2%を提唱する「アベノミクス」以降、物価上昇は着実に進んでいる。一方で、銀行預金金利はネット銀行の定期でも0.30%程度とインフレに追い付かず、銀行に預けているだけではジリ貧だ。

今回は、比較的リスクが低いと言われる債券の中で金利が高い「劣後債」の魅力と注意点について紹介したい。

劣後債①社債とは

「劣後債」は 社債 の一種で、社債の中では最も 高リスク高リターンと言われている金融商品だが、ここでは 劣後債について詳しく説明する前に社債について簡単に触れよう。

社債とは、企業が発行する債券のことだ。企業が業務拡大などのために資金が必要になった時には、主に二つの資金調達手段が存在する。

一つが、銀行からの融資であり、もう一方が社債を発行して直接市場から資金を借りる方法だ。社債を購入した投資家は、企業が破綻しない限り、一定期間ごとに金利(クーポン)を受け取り、満期日には額面全額の償還を受ける。

劣後債②社債と株式の違い

直接市場からの資金調達という点で社債と株式は共通するが、その違いは何か。

投資家から見ると、株式は株価が日々変動し、売却時の価格は購入時と大きく異なることも多い。それに対して社債は満期日まで待てば全額が償還されるし、満期前に債券市場で売却するにしても、株式ほどは売買価格が変動しない。

また、株式の配当は企業の営業成績によって増減するが、債権のクーポンは発行時に決められている。他に、株主総会での議決権のようなものが社債には存在しないというのも両者の違いとして挙げられる。

劣後債③劣後債とは

それでは、冒頭で高リスク高リターンと紹介した「劣後債」とはどのようなものか。劣後債と通常の社債の違いは、企業が倒産した際に現れる。

企業は経営難などによって倒産することがあるが、倒産したからといってその企業の資金がゼロであることはほとんどない。解散直前の企業の手元には幾ばくかの資金が残っており、これを債権者で分けることになる。

劣後債とは、このように発行体である企業が解散したときに、一般の債権者よりも債権の回収が後回しにされるという約束の下で発行された債権なのである。

つまり、通常の債権への償還が終わった後に、それでも企業の資金が残っていれば、やっと償還機会が巡ってくるのが劣後債だ。ただし実際には、劣後債は企業が解散するときには一銭にもならない場合がほとんどである。

ただし、その高リスクの代償として、クーポンは一般の社債に比べて高く設定されている。

例えば三井住友銀行の場合、直近発行された一般の債権のクーポンは0.254%(2014年4月23日発行)であるのに対し、劣後債は0.87%(2013年1月29日発行)と、金利差は4倍以上にもなる。また、劣後債は額面価格を下回る価格で売り出されることも多い。

ところで、今回は三井住友銀行の劣後債を例に挙げたが、金融機関が発行する社債は圧倒的に劣後債が多い。これは、劣後債は一定の制限の下で自己資本として計上できるため、会計上有利に働くためだ。そのため、金融機関の社債発行には注目しておこう。

劣後債④劣後債のリスク

ここで、劣後債の持つリスクについても整理しよう。

まずは、社債全般が持っているリスクでもあるが、元本を保証しているその企業自体が破綻した場合、社債はその額面価値を失う。また、満期日を待たずに換金しようとすれば債券市場で売却するしかないが、この時の売却価格は購入価格を下回ること可能性がある。

次に、劣後債自体が持つリスクについてだ。まず前述のとおり、企業が倒産したときには、一般の社債については額面の何割かが償還される可能性があるが、劣後債の償還額はほとんどゼロであると考えてよい。

そのため、債券市場における売買価格は企業の信用状態によって、一般の債権に比べて大きく上下する。にもかかわらず、劣後債の償還期間は10年などと長く設定されている。

劣後債⑤劣後債を買うには

高リスク高リターンの劣後債に興味を持っていただけただろうか。ここからは、劣後債を購入する方法について解説しよう。

まず、劣後債に限らず社債はすべて、一般の銀行で購入することはできない。

例えば、前述の三井住友銀行の社債でも三井住友銀行では扱っておらず、グループ企業であるSMBC日興証券などの証券会社が販売している。つまり、社債の購入には証券会社に口座を持つことが必要なのだ。

証券会社に口座を開き、入金を済ませると、劣後債などの社債は購入可能となる。

では、どのような証券会社を選べば良いのか。個人投資家におすすめしたいのはネット証券だ。ネット証券の利点は、リアルタイムで情報収集をしながら、時間や場所を問わずに取引ができる点にある。

また、株式投資をする際には取引手数料が格段に安いのもネット証券の魅力だ。

注目の社債 SBI債とマネックス債

ここまで劣後債について詳しく述べてきたが、劣後債と同等以上の金利を誇る社債もあるので最後に紹介したい。

それはずばり SBI債 マネックス債 だ。これらは、SBI証券の持ち株会社であるSBIホールディングスとマネックス証券の持ち株会社であるマネックスグループが発行する社債である。

この2つの社債は劣後債ではないが、ともにクーポンは1%を大きく超える。先ほどのSMBCの劣後債のクーポンは1%未満であったことからも、その魅力は大きい。

また、この2つの社債の魅力はクーポンの高さの他に、発行から償還までの期間が1~5年と短く低リスクであること、1~10万円という少額から投資可能であることも挙げられる。高金利であるのにもかかわらず「劣後」ではないことも魅力的だ。

ただし、これらの社債は発売から数日で完売してしまうという難点もある。しかも、いつ発売されるかは前もって告知されない。

SBI債とマネックス債を利率、償還期間、購入可能金額の面から比較してみよう。

SBI債 (第32回) は利率1.43%、償還期間1年、購入可能金額は額面10万円~であるのに対し、マネックス債 (第32回)は利率1.50%、償還期間5年、購入可能金額は額面1万円~となっている。


SBI債はSBI証券、マネックス債はマネックス証券の口座を持っている人しか購入できない。

まとめ

今回は、高リスク高リターンの投資商品である劣後債について解説した。だが、それよりも低リスクで高リターンな2つの社債が存在する点にも注目したい。

証券口座開設には郵送などの手続きが必要なため、発売後数日で完売するSBI債とマネックス債を購入するためには、前もってSBI証券とマネックス証券への口座開設を完了させておくことが重要だ。

魅力的な安定性を誇る三井住友銀行の劣後債購入にはSMBC日興証券、SBI債・マネックス債を買うならそれぞれ SBI証券 マネックス証券 の口座開設をおすすめする。

SBI債を買うなら >> SBI証券の公式ページはこちら
マネックス債を買うなら >> マネックス証券の公式ページはこちら

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